「それがね、あの赤い花は血吸花っていうらしいんだ」
「血吸花?なにそれ?」
血吸花_全く聞いたことのない名前に少し困惑した
でも名前からしてすごいもののような気がする
「血吸花は、変異した花の事らしくて、
その名の通り、血を吸って赤くなるんだ」
「血って……そんなことできるのは__なお兄?」
庭の手入れはなお兄に任せているし、なお兄から、
「庭にあまり入らないでください」と、忠告をうけていたからだ
正直あの時不思議に思わなかったけど、
庭で血吸花を育てているから見られたくなかったからなの……?
「そうなるよね……」
「でもさ、血吸花って変異した花何でしょ?
なのになんでたくさんあるの?」
このシェアハウスには、至るところに血吸花が飾ってある
「血吸花は、近くにその花があれば、周りも変異していくんだ」
「そうなんだ……まるでウイルスみたい…」
「もとは普通の花だからね」
「………」
そのあと二人して黙り込んでしまった
なお兄がそんなことしてるなんて思ってもなかったから__
「もふくーん、ご飯出来ましたよ?」
のあさんがやってきた
もふくんは立ち上がって扉を開け、
「のあさんごめん、ちょっと遅れる あとじゃっぴも」
そう言ったが、俺も?
「?わかりました それでは」
のあさんは少し困惑しながらも扉を閉めて帰って行った
「もふくん、遅れるって?」
「じゃっぴ、あの血吸花を見に行こう」
もふくんは、俺をまっすぐ見つめてきた
「えっ? てかなんでこのタイミング?」
「ずっと前からこのこと知ってて、行こうと思ってたけど、一人だから勇気が出なかった……
だけどじゃっぴも同じ事思ってたし、ご飯の時間だったらなお兄も庭にいないと思うから」
「そういう事か…なら早く行こう!」
俺はもふくんの手をとって走り出した
コメント
2件
神ストーリーじゃないですか!!めっちゃ面白いです!!((初コメです