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「とりあえず私の事話す前にあなた、戦姫についてはどのくらいの知識があるんだ?」

「ほぼ無いよ。なんかすごいアンドロイドって解釈だしね。」

「今の世の中でだいぶ珍しい人ね。」

「自分でもそれは思う」

「それじゃあ戦姫から、サクッと話してあげる」

「はいお願いします。」

「まず、戦姫とはあんたの言う通り小型高性能アンドロイドのことよ。で、そんな長ったらしい名前で呼ぶのが億劫なので、開発元が大人の趣味のひとつとして私ら同士でバトルさせるという所に観点を置いて、生まれた名前が【戦姫】ていう事よ。」

「ほぉ……それが戦姫の由来というか始まりか。」

「それで、そんな私ら戦姫は何が出来るのかと言うと一つは話した通り【戦姫大戦】を行うこと。これは言わなくてもわかるわね。で、もう一つは所謂ナビのような役割ね。 」

「ナビ?」

「スマホにあるマップアプリなんか使わなくても私らを連れていけば道案内ができるってこと。」

「なんでそんな機能が搭載されてるの?」

「戦姫大戦を行うにあたり、戦うための装備が必要なんだけど、それを獲得する方法はいくつかあるの。その一つにバトルスポットていう場所に行ってNPCを倒すとランダムでガチャポンのカプセルが手に入るの。そこから装備を調達するんだけど、このバトルスポットを巡るためにマップ機能が搭載されてるってことね。」

「なるほど分かりやすい」

「バトルスポットを散らばらせることで戦姫プレイヤーは必然的に街中を歩くことになる。そのおかげで観光としても機能するわけよ。施策としても優秀だと思うわ。それに、戦姫を持ってると何かとお得になるからね。その購入欲を掻き立てさせて買わせるのも目的のひとつで、バトルスポット付近には必ず戦姫ショップが点在してるからね。」

「本当に、生活に根付いてるんだね戦姫は」

「ここまで無知な人は多分あなたくらいよ」

「そんなに褒めないでよ」

「褒めてないわよバカタレが…」

「戦姫については理解出来た。それじゃあ本題の君について教えてよ」

「…いいわよ。と言っても私について語ることはほとんどない。私は元の持ち主に捨てられて名前も剥奪されたそんなやつだからね」

「戦姫を捨てるってどういう神経してるんだよ……。だって、値段で言えば十数万とか余裕でいくんじゃ………」

「確かにいくものもあるけど今だと5〜8万円程度で買えたりするのよね。」

「スマホを買うくらいの値段で行けるのか」

「だから意外と手に届きやすい値段でそれ故に捨てる人もまぁ、出てくるわけよ。」

「捨てる理由は?」

「単純に性能が悪いとか、言う事聞かないとか色々あるけど、私の場合は前者になるらしい。」

「性能が悪いってことか?」

「……そゆこと。でね、捨てられた戦姫の処遇に関してなんだけどリサイクルされるのよ」

「は?」

「手順としては、まず戦姫登録してるアプリが持ち主のスマホから消されてIDが消えた情報が販売元に届いて回収者が捨てられた戦姫を回収する。その後工場に連れてかれて【個】を形成してるAIチップを抜かれて初期化させる。その後肉体をメンテナンスし初期化したAIチップを再度入れ込み商品として販売するって流れ。 」

「それって、人で言うところの死だよね?」

「ま、そうね。戦姫によっては泣きわめく者もいるわよ。もちろん私みたいに達観してる人も出てきてたりするけどね。」

「君は思いっきり助けを乞うてたよ」

「う、うるさいわね!とにかく、捨てられた戦姫の運命はそうなのよ。だから時期に私も初期化させられる。」

「……それの回避方法は?」

「戦姫登録アプリをスマホに入れて戦記を撮影する。登録済みの戦姫だとエラーの文字が出るけど、登録削除されてるとそのまま登録完了って出るはずよ」

「ふーん……あいよ。」

「何する気?」

「別に?保護した以上責任もって僕が君を育ててあげようかなって。」

「はぁ!?馬鹿じゃないのかお前は!」

「なんでだよ!?」

「私は捨てられた戦姫だぞ?性能が悪い戦姫なんだぞ?そんなやつ必要とされないんだ!わざわざ登録して、また捨てられるなら初期化された方がマシだ!!」

「馬鹿だなぁ。僕は戦姫大戦好きだけどプレイヤーとしては向いてないから、単純に君を【友】として向かい入れたいんだよ。」

「!!」

「それじゃあ……はいこっち向いて〜 」

彼女が話した通りの手順を踏んで彼女を撮影し、案の定登録が削除されていたらしくそのまま登録完了し、別の画面に飛ばされた。

「おっ?なんか画面が変わったよ」

「……その画面は私の設定を登録する画面になる。呼び方とか、どういう教育路線にするかとかそういう画面だ。」

「ふむ、じゃあまず君の名前を考えないとね。紫の髪で右目が隠れてて、ポニーテール。瞳はアクアブルーとルビー色のオッドアイか。特徴ありすぎだから単純に可愛い名前にするか。僕がリナって名前だから【カナ】て名前にするか。」

「リナカナってコンビになるわけだよねそれ?」

「そうだよ」

「マナカナみたいでなんか嫌」

「諦めてくれ。これ以外良い名前は出てこないからね。」

「はぁ……。じゃあもうそれで。」

「あと僕に対しての呼び方もいじれるんだね。なんて呼びたい?」

「呼ばせたい名前を入れればいいじゃないか」

「じゃあなんか武人みたいな喋り方だから僕のことは【主】て呼んでもらおうかな。」

「まぁ、その設定は登録した名前呼ぶ確率を少しあげれる適度だから期待はすんな」

「なんだと!?」

「とりあえずその設定終わったら完了を押してくれ。そうしたらそのデータが私にわたってそれを反映することになるからな」

「はいよ」

カナの言う通り設定を終えて完了を押してデータをインストールしてもらい、インストールが終わったあとまた少し雑談をした。

「ちなみに戦姫の性格ってどう変わるの?さっきの画面には特になかったから気になって」

「そんなの単純だ。戦姫への接し方で変わる。初期は皆大人しい性格で、変わらず優しく接すればそのまま大人しい子になるか甘えん坊になる。逆に怒鳴り散らかすような奴だったら臆病になったりするぞ。」

「なら、カナはどういう性格なんだ?」

「私は性格と言うより”こういうヤツ”ていう立ち位置になるな。」

「?」

「異性だけど恋愛的な好きではなく、友人として好きなタイプ、てやつだ。」

「友達以上恋人未満のあの感じの立ち位置の子なのね。」

「なので距離感で言えば友人に近いかな。」

「そうだね。確かにそれが近いかも。」

「……で、話は変わるが私の服を買いに行ってはくれぬか?流石にこのボロきれは着てたくない」

「歴戦の女騎士って感じでカッコイイよ!」

「汚れてて不衛生だから服を買いに行くぞリナ!」

「えぇ……めんどくさい」

「うるさい連れていけ!」

「仕方ないなぁ……」

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