コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
俺には生涯 到底関係のないものだと思っていた。
しかしそれは、ある日突然 出会ってしまう。
.
高校の入学式
少しかたい 新しい制服に身を包み、慣れないローファーを履いてくぐる高校の門の前には 新入生が大勢いた
騒ぐ人波を避けて、隅っこにある1本の桜の木の下で一休みをしようと思い向かうと、先客がいた
『貴方も新入生?』
鈴のような 綺麗な声
振り向いた時に ミルクティーブラウンの髪の毛が 散っていく桜の花びらと揺れて 綺麗だと思った
「……うん」
“も”ということは、多分この人も新入生なのだろう。
『綺麗だよね、この桜。私のお母さんがこの学校に入学する前からあるんだって』
「……へー」
こういう時、なんて返せばいいのか分からない。
話を広げるべきか、相槌を打つべきか…らしくない考えをしていたら テキトーな相槌しか出てこなかった
『私、小鳥遊 小春。』
「……凪。」
『なぎ……くん、ね。よろしく』
差し出された右手を握ると、ふんわりと笑った。
何かの本で読んだことがある。
恋というのは、《する》ものではなく
《落ちる》もの。
きっと、この感情を 一目惚れ というんだろうな。
.
.