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不破湊side
晴の家を出てから1ヶ月。
ハロウィンが近いからリアルな世界でも
ゲームの世界でもイベントだなんだと忙しい。
こんなことになるなら
一度くらい晴と外出でもしておくんだったな。
晴はモルモットのキャラが好きだったし
俺もライオンのキャラが好きだから
この時期の展示会へ行けたらきっと
楽しかっただろうな。
晴、どうしてるかな?
何も言わないで出てきたし
連絡先もいつも家にいるから教えなかったし。
あの公園で出会った日みたいに
泣いてないかな。
でも俺のために泣いてくれてたら
ちょっと嬉しいなとか思ったり。
湊「ねぇ、会見出たし開発も進めてるし
⠀ 缶詰みたいな生活から
⠀ 解放してほしい。」
オフィスに戻ってきた明那に
タイミングを見計らってお願いしてみる。
明「ふわっちがさプログラミング
⠀ 頑張ってくれてるのは分かるよ。
徹夜続きだしいつも寝れない生活に
⠀ なってるのは 申し訳ないと思う。
⠀ でもこの世界人脈も大事だって
⠀ 起業した当初は思い知らされたでしょ。
⠀ 普段から回っておくのが
⠀ いざと言う時に繋がるんだよ。」
湊「分かってる。元々得意な方だし
⠀ 顔出してるけどいつまでも
⠀ これだと息が詰まる。
⠀ 俺はあとどれだけ頑張ったらいいの?」
明「僕たちを言頼してくれてる人達がいて
⠀ 俺たちについて来てくれてる
⠀ 社員がいるんだよ。
⠀ その人達の人生を背負ってて、
⠀ その責任がある。
⠀ 僕らはもう、
⠀ そう言うポジションなんだよ。」
明那が言った言葉は正しい。
経営者の見本みたいな回答だよ。
でも俺はそんな明那みたいな
情熱を注ぐことができない。
ゲームをすることが好きで、
作る方にも興味はあった。
元々は小さいおもちゃ会社を経営していた
父さんからボードゲームやカードゲームなどの
開発をしているところを間近で見せてもらって
自分も将来こう言う仕事を出来ればと
幼ながらに思っていたが
俺が大きくなるにつれて
ボードゲームやカードゲームなどの
需要はなくなり携帯で
出来るオンラインゲームや
アプリゲームのようなゲームが主流になった。
父さんの会社はあっという間に経営が悪化し
タイミング悪く母さんが亡くなった。
それから父さんはおかしくなった。
後はもう思い出したくもない。
そんな毎日から抜け出したくて
明那と会社を立ち上げて
自分のやりたいことをして
幸せなはずだった。
会社が大きくなるにつれてやりたいことよりも
求められていることに応える方が多くなった。
流行りを追求して、
いけそうだなと無難なものばかり作って。
時間もないからみんなで徹夜して。
それの繰り返し。
ここのところ、
そんなことに意味なんてあるのかなって
思ったり。
結局飽きられて需要がなくなれば
父さんと同じような道を辿るのではと
怖くなる。
ダメだ。ここにいると
マイナスなことしか考えられなくなる。
晴に会いたい。
どうしても晴に会いたくて
その日の夜は会社から抜け出して
晴の家へと向かった。