騒動の後、ざわついた心を抑えながら、皆が案内役について行く。
すると、クラスメイトの1人が声を上げる。
「すみません、ここって僕たちがいた世界と違うんですか?」
兵士が喋る。
「詳しいことは上のやつらしか知らんが、ここはお前らのいた世界とは違うことは確かだ。」
「ありがとうございます。」
皆が不安気味た雰囲気をだす。
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王宮内を回ること15分、色々なことがわかった。俺達がここに呼ばれた理由は6年前に突如現れた魔族、モンスターを統べる魔王と呼ばれる魔族の王を倒す存在、いわゆる勇者としてということ。どうやら、俺達にはこの世界の住人とは違う特別なスキルを持ってる事が多く重宝されていること。ここでは、スマホが使えないこと。とりあえず、今日は王宮の余っている個室で過ごすこと。この世界の通貨「ペア」約20000ペア貰えること。軽い装備(剣や服など)もあった。
周りの皆はもうパーティーを作っているようだったが俺には関係ない。
今日は色々なことがあって大変だった。疲れとともに眠る。
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まただ。あの時の光だ。
誰かがささやく。
「アト.,ナノカ…」
「マデ,、タエ.,t……」
上手く聞こえない…
目が覚める。やはり、夢ではなかった。
少し憂鬱を感じると共に喜びも少し感じた。
さて、皆はもう出発したようだ。
支度を済ませて、、
ん?目を疑った。
昨日確かに机に置いてあった20000ペアが消えていたのだ。
絶望だ。ゲームでは序盤が1番所持金が重要なことはわかっているのに。
誰かがやったのかは分からない。
仕方がなく、街の方へ出る。
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〜城塞都市 ルーンメリア〜
あちらの世界にいた時には何も街に感情を抱かなかった俺だが、今この瞬間、この世界に来ていいと思えた。
きらびやかな街中、楽しそうな民衆、大きい玉に乗るピエロ、それをキラキラとした目で見る子供、どれもこれもが輝いていた。
さっきまでの感情が消し飛んだ。
まず、案内の人に言われた通りに道を進み、冒険者ギルドに向かう。
着いた。中に入る。冷たい視線が突き刺さってとても痛い。泣きそう。これにはやはり慣れない。
受付に行くと、ハーフ顔のお姉さんが話しかけてきた。
「クエストですか?入願希望ですか?」
それとも私ですか?を期待していた自分がバカだった。
それはおいといて、答えた。
「入願希望です。」
「はい、かしこまりました。」
「1000ペアになります。」
焦った。お金はいまさっき盗まれていたのにここで必要になるとは。
「大変言い難いのですが、お金が,,,」
お姉さんが察したような顔で言う。
「たまに居るんですよね。こういうお客さん。」
そんな気まずい空気が流れてる時、金髪のTheヤンキー味プンプン猿顔イケメンが
「まじ?!金ないのにここに来たの?まじ笑えるー!!おもろいからお金出世払いで貸したげる。もちろん、借りは要らんぜ!」
まじで助かった。災難なことばかりで気が滅入ってたけど、いい事があって心が助かった。
「では、こちらに手をお願いします。」
お姉さんが持ってきた水晶玉に手を合わせる。
光が集まっていく。身体中の血液が水晶に向かっていくのを感じる。
「ビビ…」
水晶になにかが浮かび上がってきた。
「お!出てきました。フムフム。」
眉間にしわを寄せながら、水晶を覗き込んでいる。
思わず、声が出た。
「どうかしたんですか? 」
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「いや、大変申し上げにくいのですが,,,」
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