テラーノベル
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「着いたよ」
蘭さんはタクシーから降りて私に手を差し伸べた。こういう紳士面はどこで身につけたのだろう。
「すみません、ありがとうございます」
可愛げのひとつもない返しをしてしまって申し訳ない。
目の前には落ち着いていながらも明らかに高級を主張してくる店があった。
「本当にここ行くんですか…」
「なんでー?嫌?」
「いやとかじゃなくて…」
「じゃあ行くよ~」
蘭さんはそう言うって私の手を軽く引っ張った。
扉を開くと、受付?レジ?なにか分からないが高そうな大理石のカウンターがあった。
「いらっしゃいませ」
髪の毛を七三分けにした美男子がそのまま席へと案内をしてくれた。
「メニューお決まりになりましたらお声がけ下さい、失礼します」
私はそんなことを言われているときも
辺りを見回していた。
大きなシャンデリア。飾られた絵画。
広々キッチンに見える光るワイングラス。
どれも初めて見るようなものばかりだった。
「なにきょろきょろしてるの?」
「えっ」
蘭さんは私がぼーっとしてる時にいつも声をかけてくる。
「いやすみません初めて来て、こんな所…」
「えーそうなの?割と安いのに」
それは貴方にとってでしょ。
…心の中でしか言えなかった。
「なににする?これ美味しいよ?」
メニューを見せてもらっても目移りばかりしてまともに決められない。
「えーっ、うーん… 」
蘭さんが私の顔を覗き込んでくる。
「…じゃあ蘭さんが好きな物で」
「いいの?やったーありがとう!」
蘭さんは店員さんを呼んで、なんだか沢山頼んでいた。
「何頼んだんですか?」
「なんかお酒と合いそうなのたくさん。
あ、お酒飲める?」
「うーん、酒… 飲めないことはない、です」
少し酒癖が悪いこと、私は自覚していた。
「よかった、沢山飲もうね~」
「蘭さんはお酒強いですよね」
「そうだね~強い方かな。なんで知ってるの?」
「いやこの前沢山ワインの瓶置いてありましたし」
前、部屋に入った時 信じられないくらいワインの瓶と酒缶が置いてあったのだ。
「ああ、そういえば入ってたね」
「蘭さんはワインが好きなんですか?」
「そうだね、俺は赤ワインが1番好きかな」
「へえ、 なんだか大人って感じしますね」
「でしょ笑 今何歳だっけ?」
「私ですか?今22です」
「えっ、若…」
そりゃその反応だ。蘭さんはもうなんか。
大人の色気以外何も感じられない。
「割と若いんです笑 」
「えー、、6歳差かあ…」
「蘭さん28なんですか?」
「そー、まだまだ俺だって若いよ~」
「お待たせしました、お先にワインです」
「ありがとうございます」
ワイングラスが机に置かれて静かに赤ワインが注がれた。
「では、失礼します」
「はい、かんぱーい」
「乾杯」
1口飲んで驚いた。私はワインが苦手だ。
このワインはまるで果汁を搾っただけのジュースの様な味だった。
酒っぽさが少なくて私にはすごく飲みやすかった。
「これ、美味しいですね。ジュースみたい」
「よかった~、少し弱いの頼んでみたの」
「え、そうなんですか」
「お酒弱そうだったからね~」
そういって蘭さんはワインを自分のグラスに注いだ。
「すみません、気を使わせてしまって…」
「大丈夫大丈夫~ たくさん飲んでね~」
…
これって支払うの私じゃなかったか?
#カンヒュ
ぴーち。
4
らびゅ🫶💕〜!
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コメント
1件
第11話、読み終わりました〜!🍷✨ 蘭さんの紳士な手の引き方とか、主人公がきょろきょろしちゃう感じ、すごく可愛くて微笑ましかったです。高級店の雰囲気も細かく描かれてて、ドキドキしながら読めました。ワインがジュースみたいに飲みやすいって描写、大人の世界にちょっとずつ馴染んでいく主人公の気持ちが伝わってきました。最後の「支払うの私じゃなかったか?」でクスッと笑っちゃいました😂 次どうなるか気になります!