北朝鮮×韓国♀のNL小説。
今回は最初だけ韓国♀ちゃんのターン。全体的に暗いです
「よう、調子はどうだ?」
無表情で声を掛けたのはロシア。韓国の虚ろな目が、ゆっくりと彼を捉える。
ロシアはそんな彼女の様子を気にしているのかいないのか、しゃがみ込んで彼女とアイコンタクトを合わせる。
……綺麗な髪だったのにな。あいつといた時は。
それが今ではどうだ。
ろくに手入れもされていない、傷んだ髪。まぁ “監禁” されているのだからヘアケアなんてしている暇もないか。
「…………….かえして」
「あのひとの、ところ…に、」
掠れきった声。恐らく泣きすぎたのだろう、涙まで枯れてしまったようだ。少し可哀想な気もするが、ロシアには彼女を助ける権利がない。
そんな哀れみの感情を自分の中で殺して、質問を投げかけてみる。
「……お前は今、幸せか?」
我ながら馬鹿かと思う愚問である。
だがこれはれっきとした “頼まれごと” の一種なので仕方ない。
韓国は、ふるふると首を横に振った。
「…………..二つ目の質問。お前は──を愛しているか?」
これもまた愚問。すると今度は、先程の質問よりも一瞬ほど早い反応で首を横に振った。
そして、呟く。
「わたしは、あのひとがスキ」
ロシアの目が見開かれた。こんな健気な恋心、果たして自分達みたいなのが踏みにじっていいのだろうか?
自分は一体何をしているのか、甚だおかしく思えてくる。
「…………………そう、か」
帰りたい。今すぐ帰りたい。
これ以上この少女と一緒に居たくない。関わってはいけない。
彼女にとっての最善はきっとそうなのだから。
───彼女にとっての最善は、あいつと早く引き会わせてやることなのだから。
しかしそんな夢物語を、運命の神様は許してくれなかった。
「……!俺はそろそろ行く」
此方に向かってくる足音が聞こえた。
恐らく──が帰ってきたのだ。もう戻らないと。
「………..またな」
彼女は、答えなかった。
北朝鮮side:
中国と話して分かったことがある。
それは、俺と韓国の仲を認めてくれる奴は他にも居たということだ。
今までアメ公や先生のような欧州列強達は、
俺と韓国が一緒に居ると必ず引き離そうとしてきた。
フランスやにゃぽんなど、味方してくれる国も極わずかだが居た。だがそんなのは気休め程度にしかなっていなかったのだ。
でも、あの人は…中国は違った。
にゃぽんやフランスよりも経済的には豊かな上、俺の思想に対しても強い影響を与えた。
俺にとってとんでもなく素晴らしい存在。
俺にはもう、あの人を疑うことは出来ない。
「………..ありがとな、中国」
数日後、にゃぽんから連絡が来た。それは久しぶりの話し合いについてのことだった。
「よう、来たぞ」
「今日は遅れずに来たね。じゃあ行こっか」
────今回の話し合いは、波乱になりそうだ。
嫌な予感を抱えながらも、二つの国は歩を進める。
to be continued……
コメント
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みんな黒幕は誰だと思う?コメ欄で予想してもいいんだかんね!