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寒い、冷たい
肌に触れる雪は、慣れきったはずなのに、刺されたように冷たい。
目線を動かして、隣を見る。
苦しそうに眠っている、私の大切な人。
私は重い体を動かして、相棒を抱きしめる。
無駄だと分かっていても、体を暖めようとする。
……………さもくん、寒いね
「………」
「おどろくちゃんどうしたの?そんな難しそうな顔して。」
窓の外を見ていた私に凸さんが話しかけてきた。
「………最近、外の雰囲気がおかしい気がして…」
空気が緊張してる、そんな感じがする。
「あー…まあ、冬の時期になると魔獣がうろつき始めるからなあ…」
「…年中冬みたいなものでは…」
毎日猛吹雪で、四季なんて感じることができない。
「一応月で区別はついてるけど…まあそうだよな。」
でも魔獣かあ…危ないなあ…
…皆も、無事だといいな。
「はぁっ、はぁ…」
相棒を背中に抱えて、猛吹雪の中歩く。
せめて、凸さんたちのところに、着け、ば…
力尽きて倒れる。
………さもくん、ごめんね
薄れゆく意識の中、誰かの手が見えた気がした。
………なんかこの感じ見覚えがあるな
おどろくちゃんを助けた時も、こうして猛吹雪の中倒れてたっけ
ってそうじゃない、なんで二人が倒れてるんだ?
俺と同レベルで強いはずの二人が、瀕死の状態で倒れてる。
ななっし〜の方はまだ大丈夫な方で、危ないのがさもさんの方。
息が凄く荒くて、お腹の方が抉られてる。
魔獣か…?考えるのはあとだ、二人を連れて帰らないと…
俺は二人を抱えて急いで拠点に帰った。
「み、皆!」
余裕のない凸さんの声に、私達は緊急事態だと理解する。
「さもさんとななっし〜さん!?」
二人はボロボロで、とても見ていられるような状態じゃなかった。
「二人が倒れてた、さもさんの方は特に危険!」
私達は急いで包帯や薬を持ってくる。
「えっとえっとえっと、これからどうしたらいい!?」
「俺たちで手当するから、おどろくちゃんは毛布とか持ってきて!」
「分かった!」
なんで?なんで二人がこんなことに…
そう思いつつも、私は物置部屋へと向かった。