テラーノベル
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「恋に焦がれて鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」
キヨ×レトルト
大好きな2人の物語です。
ご本人様方は全く関係ありません。
ただの妄想です。
学生幼馴染パロ
• キヨ。:高校1年生。明るくて生意気、でも妙に執着心が強い。レトルトの事が大好き。
• レトルト:高校3年生。優しくておっとりした雰囲気で鈍感。周りに好かれやすいが本人は無自覚。
『レトさん、大きくなったら僕と結婚して下さい!!』
俺が初めて告白した日を今でも鮮明に覚えてる。
2つ上のレトさんだった。
俺が小学1年生の時、レトさんちの隣に引っ越して来た。
新しい家の前でこれから始まる新しい生活に不安しかなかった俺。
そんな俺に声をかけてくれたのがレトさんだった。
優しい声に俺の不安は吹き飛んだ。
それと同時に胸が高まった。
俺の初恋だった。
その日から俺の隣には常にレトさんがいた。
昼休み、屋上。
風が吹き抜ける中、レトルトはパンをかじりながら、ふと横を見る。
「…また、来てんの?」
フェンスにもたれていたキヨ。がニヤッと笑った。
『だって、レトさんのこと、見てたいんだもん』
「やめてや〜、そういうの恥ずかしいから」
いつもの様に顔を赤くするレトルト。
『なんで?俺、本気なんだけど?』
口元にパンくずをつけたまま、レトルトは目を逸らした。
キヨは一歩、レトルトに近づいた。
『ねえ、誰かに取られるくらいなら──』
『……俺が、閉じ込めちゃってもいい?』
冗談めかして言ったキヨの目は、笑っていなかった。
でも、その距離が近すぎて。息がかかりそうで。
「冗談、だよね…?」
レトルトの声が少し震える。
『さぁ?どうだろ』
キヨは突然、レトルトの頬に触れた。
その指は、驚くほど熱を帯びていた。
『俺さ、レトさんが他のやつと笑ってるの、見たくないんだよね。
俺にはあんな顔、見せてくれないのに、さ。』
「そんなこと──」
言いかけたレトルトの唇を、キヨの指がなぞる。
『俺にだけ、見せてよ。』
その瞬間、風が吹き抜けた。
キヨの髪が揺れ、レトルトは思わず目を伏せる。
指は唇から、ゆっくりと首筋へ。
制服の襟をわずかに開き、キヨはそこに唇を近づけ──
『ここに、印つけたらさ。
誰にも見せられなくなるよね?』
「……っ、だめだよ、それは──」
レトルトの心臓は、うるさいほどに鳴っていた。
「幼馴染に普通こんなことせんやろ。そういうのは好きな人にやるんやで!」
レトルトは顔を真っ赤にしながら言った。
『はぁぁぁぁ。』
わざとらしくため息をついて見せるキヨ。
(なんで分かんねぇんだよ。鈍感すぎだろ)
初めて告白をしたあの日。
レトさんは嬉しそうに俺の告白に返事をしてくれた。
「ほんまに!?うん!結婚しようね!」
結婚の意味がわかっていなかったのだろう。
ただただ嬉しそうに俺の手を取ったレトさん。
あの日からあの手この手でアタックをしているのに「幼馴染」という関係から変わる事はなく
気付けば片思い歴10年という情けない結果だ。
きっとあの日の告白も忘れているのかもしれない。
それでも、、、それなら幼馴染ではなく恋愛として俺を見てもらうまでだ!
今日こそは!絶対にレトさんを振り向かせてやる!!
つづく
コメント
4件
新しいお話、!しかも学パロと幼馴染パロなんて!!リクエストにお応えしていただきありがとうございます!!今回も凄く面白そうです!!どちらも好きなパロなので続きが楽しみです!