テラーノベル
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2話目もよろしくお願いします!
スタートヽ(*^ω^*)ノ
放課後の図書室。
レトルトは珍しくクラスの女子に話しかけられていた。笑って、頷いて──。
「へぇ、レトルト君って優しいんだね〜」
「そ、そんなことないで〜/////」
その会話にカウンターの奥から鋭い視線が突き刺さる。
──なんで笑ってんの。
──俺のとき、あんな顔しないのに。
本棚の影にいたキヨの指が、無意識に自分の腕をきつく握った。
さっきからずっとレトルトを見てる。
目が離せない。離したら、取られそうで怖いから。
(早く終わんねぇかな、あの女)
やがて女子が去って、レトルトが本を手に歩き出す。
その瞬間──
『レトさん』
「うわっ、キヨくんか…びっくりしたぁ……」
『なんであんなに笑ってんの』
「え?」
『俺の前では、あんな顔しないくせに』
「……いや、別にそんなつもりじゃ──」
『じゃあ、見せてよ。俺にだけ。』
キヨはぐいっとレトルトの手首を掴んで、人気のない書庫の奥に連れ込んだ。
誰も来ない。鍵も閉められる。
そして──
ガチャン。
「ちょっ……キヨくん!?」
『レトさんが誰かに取られそうになるの、
俺、ほんと無理だから。』
壁に押し付けられたレトルトの首元に、キヨの唇が落ちる。
吸うように、なぞるように。
制服のボタンを指先で外しながら、目が爛々と光る。
『レトさんの笑顔、誰かに見られるくらいなら……』
「キヨくん….. 。やめ──」
『見られなくしちゃえばいい。 俺だけのものにすれば….』
キヨの声は震えていた。
怒りと、欲と、愛しさと、狂気が混ざってる。
『レトさんが他の人に笑うなら……
俺の前では、泣いてよ。
苦しそうにして。俺だけを見て。』
レトルトの胸元にキスが落ち、
そのまま唇がずるずると腹の方へ降りていく。
小刻みに震えるレトルト。
「キ…キヨくん。やっ..だめ。どうして、こんな事、するの?なんか、こわい….よ」
『怖い? じゃあなんで拒否んねーの?嫌なら拒否れよ。はは。本当は嬉しいでしょ?
俺のこと、もっと知ってよ。
この気持ち、全部受け止めてよ……レトさん。』
息が乱れ、レトルトの指先がキヨの制服の裾を掴む。
(いつものキヨくんじゃない……怖いのに、体が言う事きかない。)
『ねぇ、レトさん……震えてるよ?』
薄暗い書庫の奥。閉め切られた静寂の中に、キヨの囁き声だけが響く。
レトルトは壁に背を押しつけられたまま、息を呑んでいた。
制服のボタンは数個外され、素肌にキヨの指が這うたび、
びくりと肩が震える。
「……キヨくん……やめ、やだ……」
『やめないよ。』
優しい声で即答する。
そのくせ、指先はレトさんの首筋をなぞり、顎をすくい上げてくる。
『だって、レトさんが他の誰かに笑ってたの、見たんだよ。
俺、他のやつと笑ってるの見たくないって言ったよね?』
「ちがっ……それは….」
『それは?なに?』
キヨぐっと顔を近づけて、耳元に唇を押しつけた。
『ねぇ、レトさん。好きだよ。そろそろ気付いてよ。俺だけのものになって?俺から逃げないでよ。これ以上逃げられたら、俺本当にレトさんの事….壊しちゃいそうだよ….』
そのまま首筋に吸いついてきた。
チュッと音を立てて、跡をつける。まるで、マーキング。
「やっ、そこ……っ、だめ……っ」
『レトさんがダメって言っても、俺がいいって言ったらやるから。』
その一言に、レトルトの目から涙が零れ落ちた。
(怖い。 でも、熱い。
キヨくんの体温と、執着と、真っ直ぐな“好き”が痛いほど伝わってくる。)
『泣いても逃げられないよ?
俺、レトさんの涙も笑顔も、全部ほしいから。』
キヨの手が、レトルトの背中にまわる。
ぐっと強く抱きしめて、心臓がぶつかるほど近くで、また囁く。
『はぁ。壊れちゃえばいいのに。
俺のことだけ考えて、
俺の声だけ聞いて、
俺にだけ、乱されて。』
レトルトの唇にそっと触れたあと、今度は深く、重ねた。
逃げられない、呼吸も奪われるようなキス。
レトルトの涙が頬を伝うのも構わず、キヨは口の端を舐めとるように囁いた。
『大丈夫、泣いてもいいよ。 レトさんが全部俺にくれたら、
怖いのも、全部、気持ちよくしてあげるから。』
その視線から目を逸らす事は出来なかった。
初めて見たキヨの本気。
今まで幾度となく「好き」と言われ続けてきた。その度に誤魔化して逃げていた。
弟の様に可愛く、親友の様な幼馴染。
その関係が崩れるのが怖かった。
でも、もう逃げられない。
つづく
コメント
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独占欲つよつよなヨーキー最高です、!素晴らな作品あざますです!