この作品はいかがでしたか?
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「…っし。できたよー!!」
「っあれ、おっかしーなー。真白ー?」
「中か?」
「それでねー、夕弦ったら先生にね怒られちゃったのよ〜」
「えー!笑」
久しぶりだなぁ。こんなにのんびり楽しく話して、盛り上がれるなんて。
「ちょっ!!なんの話ししてんだよ!」
「あら、もう終わったの〜?」
楽しい時間はすぐ過ぎてしまうっていうのは本当だな。ちゃんとお礼を言ってササッと本屋で寄って帰ろう。
「それじゃあ、夕弦ママとオマケに夕弦、ありがとうございました。」
「いいえ〜」
「はっ!?俺おまけ!?俺がやったのに!」
「ふふ。じゃあまた。」
こんなふうにふざけ合えるのも、夕弦達だけだ。楽しかったな。よし、そろそろ行こう。そして、夕弦にやってもらった自転車に乗り、本屋へ向かう。
「えっ!うそっ!」
そこには信じられない光景があった。なんと、苦労してここまで来たのに新刊の小説は売り切れていた。今までこんなことは無かったのに!最近になって奏 美蘭先生は人気が急上昇し、トレンド入りもしていた。まさかここまでとは…。仕方がなく、ほかに欲しい本を持ちレジに並ぶと、そこには影山先輩がいた。どんな本を読むのだろうと気になり覗いてみると、あたしが買おうと思っていた小説を持っていた。驚いて固まっていると、先輩が振り向いた。
「…塩野さん?」
「ひぇっ!?」
やばっと思い口を抑える。『何言ってんの?』と言われると思ったがまさかの反応だった。
「ふはっ何『ひぇっ!?』って笑」
こんなふうに楽しそうな先輩は初めて見た。
「な、なんでもないです。」
「そっ、そんなことよりその小説!!」
「ん?あぁ、俺が好きな先生の新刊だよ。」
えっ、初耳だ。影山先輩も奏先生が好きなのか…。
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