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錆の都送り

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錆の都送り

第42話 - 第42話　過去編

34

2024年11月04日

#ダークファンタジー

#錆

#黒蜜の賞金付きコンテスト

伊琉夏

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伊琉夏

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錆の都送り
#42 第42話　過去編 / 伊琉夏

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鋼谷は、任務が無事に終わったことをほっとしながらも、心のどこかに引っかかるものを感じていた。政治家の過去を清算させることに成功したとはいえ、その背後には暗い影がちらついているようだった。自らが選択した道は本当に正しかったのか、疑念が心に残る。

数日後、鋼谷は街を歩いていると、ふとした拍子に耳にした噂に引き止められた。「あの政治家、赤子を食べたって本当か？」周囲の人々の会話に耳を澄ませ、鋼谷は息を呑んだ。

「なんだって？赤子を食べた？」鋼谷は心の中で言葉を繰り返す。その噂は、政治家が生き残るために、命を奪った赤子の肉を食べたという衝撃的な内容だった。

鋼谷は急いで情報を集めることにした。もしこの噂が本当であれば、本当に成功したと言えるのか？家族を呼び寄せることで、彼の未練を解消するはずだったのに、赤子の命を奪うことを選択したのなら、台無しになってしまう。

何日かの調査の結果、鋼谷はようやく真相に辿り着いた。政治家の過去には、彼が権力を維持するために、密かに行っていた非道な行為があった。彼は、目の前の危機を乗り越えるために、赤子を食い物にしていたのだ。しかも、彼はそのことを周囲に隠しており、未練を払拭するための方便として、家族を迎え入れたのだった。

「信じられない…。彼は本当にあの選択をしたのか。」鋼谷は怒りと悲しみの感情が交錯し、胸が締め付けられる思いだった。自らの命を救うために、無垢を犠牲にするなんて。

この事実を知った鋼谷は、もはや彼を救う気持ちも失われていた。「私は何をしたんだ。」その後悔は、彼の心に重くのしかかった。

彼は急いで学校へ戻り先生に伝えた。「あの政治家、実は赤子を食べたようです。」鋼谷は冷静さを保ちながらも、言葉に力を込めた。

教師は真剣な表情で耳を傾けた。「それは厄介な問題だ。彼をこのまま放っておくわけにはいかない。」

鋼谷はその後、政治家の元へ向かった。すでに彼は権力を振るう者として、人々の恐れの中に隠れていた。鋼谷は、彼の行為に対する責任を問うために立ち向かう覚悟を決めていた。

「今度こそ、あなたを許さない。私たちゴーストバスターは、あなたの未練を解消するために来たのではなく、あなたを裁くために来たのだ。」鋼谷はその言葉を胸に刻み、再び戦いに挑む決意を固めた。

今度は、迷いのない鋼谷だった。赤子の命を奪った者には、必ず相応の報いがあるべきだと、彼は心の中で誓った。彼の異能「鉄鎖」が光を放つとき、正義のための戦いが再び始まるのだった。