テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
病室302号室。そこには22歳大学生の男性が入院していた。彼は高窓 飛鶴[たかまど ひづる]といって、難病を抱えている。
おや、彼の紹介をしていたら、302号室に新しい隣人さんがくるようだ。
「えっと… ち〜ッス!今日から隣に入院することになった、木口[きぐち]で〜すっ」
「…」
「あの〜?今日から隣に入院することになっ…」
「わかってる。同じことを二回も言うな。」
「聞こえてたんですね〜。んと、お名前は?」彼は少し経つと、こちらの方を睨んでこう言った。
「高窓。いちいちうるさいんだよ。」そして、続けて言った。
「俺の読書の時間は至福の時間なんだから邪魔するな。」よく初対面の人にそんなことを言えるな、なんて思った。もしかして隣人ガチャ失敗かな…。
確かに俺はよく友達にもうるさいって言われるけど…初対面の人にも言われるとは思っても見なかった。しかも俺より二個か三個しか変わらなそうでイケメンな、にーちゃんに!“うるさい”って言われたことも忘れたのか、俺は話しかけていた。
「高窓さん、イケメンですね〜。20手前ですか?それとも…」また俺が話している最中に高窓さんは話に割り込んできた。他人のタバコの煙を退かすみたいに。
「お前は子供なのか?俺は子供が嫌いだ。うるさいし、時間を無駄にするからな!俺と話したかったら10分くらい待て!」こちらには視線を向けていないのにもかかわらず、言葉のナイフがグサグサと刺さっ来て、あたかも百発百中だった。俺は、少し怒られたあとの犬みたいに“待て”をした。
〜10分後 〜
「ん、いいぞ。」俺は机に本を置いて、“木口”とか言う金髪の野郎に目を向けた。
「なんかすいません。わざわざ俺のために…」ほんとその通りだな、と思ったが、口には出さないことにした。
「高窓さんって年齢は?」…何だそのつまんない質問、、、お前はそのために10分間も犬みたいに待ってたのかよ。バカなのか?こいつなんだよ!
「…22だけど。」
「そうなんですね。」は?なんだコイツ。もう会話終わったが?会話のキャッチボールがなってねえんだよ。何が“そうなんですね”だ!
「んで?」
「なにが んで ですか?」意味わかんね、は?
「もう質問はねぇのかよ。」半ギレ状態。
「もっと質問してもいいんですか?もしかしたらまた怒られちゃうかもなんて思って?」
「まぁいいけど。」そんなことで怒るわけないだろ。コイツ意外と俺のこと煽ってるのかよ…。
「22なら大学ですよね!どこ行ってるんですか?」
「東大。行ってるというより行ってたのほうが正しいけどな。」
「と、東大?!めっちゃ頭いいんですね…。行ってた?入院長いんですか?」
「あぁ。生まれつきで病気があったんだけどさ、大学受験の日に悪くなって、入学式の日に倒れてからずーっとココで過ごしてるからな。」
「入学式以降…。それって、留年してるってことになってるんですか…?」
「さぁな。全然わっかんねぇ。教授にも会ってなければ、友達とか高校んときくらいしかいねぇし。」
「そうなんですか…。大学に行く日まで大丈夫だったなんて、どんな病気なんです?」デリカシーねぇな。
「口で言うってより見たほうが早いかもな。」俺は左腕に巻いていた包帯を剥がし始めた。
そこにあったのは赤く、けがれている細い腕。左肩の付け根付近から左手の指先までに広がっていた。