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自分の旧両腕を拾って、小指を食べてみる。
(噛みにくいし不味い。)
食べかけの小指を吐き出して、旧両腕は崖から投げ捨てた。
「自分の元々の小指を食べるとか、正直お前さんは気持ち悪い奴じゃ。」
「生前は自分の子宮を食べたことがありますよ。すごいですよね?」
「何の自慢にもなってないぞい。さて、ちょっと爪を貸せ。」
ガルムが私の手にある全ての爪に触れると、爪は鋭い鉄のようになった。
「これは地獄で流行しているネイルですか?センスありませんね。」
「ここは地獄じゃなくて阿鼻界だし、この爪はネイルじゃないぞ。」
ガルムは、熱鉄の縄で首吊りをされながら時々火を吐く獣に食われてる男性のところへ行った。
「この罰は一旦終わりじゃ。ついてこい。」
赤髪で緑の目をした男性は、退屈そうに欠伸をした。
ガルムはその男性の爪も鋭い鉄のようにさせる。
「次は何すんの?」
「葉造、コイツはさっき阿鼻界に来たばかりの新参者じゃ。名前は……何じゃっけ。」
「來雨ですよ。紙塔來雨。」
「嗚呼、そうじゃったな。葉造と來雨は殺し合いをしてもらうぞい。」
「もう死んでるから、殺し合いとはいえないんじゃない?」
「どうやって戦わざるを得ないような状況にさせるんですか?」
「うむ、取り敢えず戦う為の武器はこの爪にするが……」
「この鋭い爪で引っ掻き合えってこと?つまんなそ〜。」
「普通は武器といったら剣とかですよ、ガルム。私の武器は銃がいいです。」
「爪で引っ掻き合うからこそ、お前さんらが無様に思えて愉快に感じられそうなんじゃよ。」
ガルムが地面に手を着くと、そこにトラップドアが出現した。
「そういえば、僕と同じように罰を受けてる人は日本人しか見てないけどなんで?」
「阿鼻界の中で罰を受ける場所は、生前に大半を過ごしていたような場所と大体近い者が集まるんじゃ。ちなみに、死んだ時間が近い者も同じような場所に来るぞい。まあ、罪が重い者にのみ与える罰をするときには、罪が似た者を集めるけどのう。」
「あんま理解できなかった。もっとわかりやすく言ってよ。」
「嫌じゃ。」
「葉造さん?はどのくらい前に死んだんですか?」
「阿鼻界は時間の流れがわかりにくいから、明確には言えないね〜。たしか、死んだのは2025年の8月だったかな。」
「私が死んだのは2025年の9月……死んだ時期が近いと、阿鼻界で罰を受ける場所も近くなるのは本当らしいですね。」
私は2人殺害したことがあり、2人を殺害してから数分ぐらいで私も死んだ。
そうなると、私に殺されたあの2人も近くにいるかもしれない。