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01.天使と始まり
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file number Ⅰ
哺乳類ヒト科ヒト属ホモ・サピエンス
神によって作り出された愚者の象徴。俗に“人間”と呼んだ。知性を、力を、高慢を持ち最後の審判により有罪となった。約三千四百三十五兆年前に滅亡。
file number Ⅱ
第三百二十世界 天の川銀河 太陽系 第三惑星地球
人間が棲んでいた惑星。数多の神の手によって守護されていたものの誕生から63億年後、神殺しや信仰過疎化が爆発的に加速。これは file number Ⅰ にもあるように最後の審判に掛けられる理由となった。人類滅亡の際、丁寧に保護され、風化することなく残されている。
file number Ⅲ
我々の誕生・著者の見解
人間が滅亡してから五百六十九万三千四百二年後、宇宙に陸地が誕生。天体が空に浮くことになった。その後、地上で神・天使陣営、邪神・悪魔陣営に完全に別れた。ただ例外となるのが██████████████████████████████であり、その三柱は神殺しの疑いがあるとして手配されている。
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「うーん…この考察とか…難しい…」
顎に手を当て、鼻っ柱を人差し指の第一関節で叩きながら普通の本五冊分の厚さはあるであろう文書とにらめっこ。
束の間の息抜きに部屋を見渡す。不自然なくらいに綺麗な純白の部屋。節目も何も無い、何も描かれていないキャンパスのような大理石。それを正方形に切ったパネルで構成される壁、天井、床。床から天井までの高さはあるはめ込み式の本棚。
それに並ぶ寂れた古書や真新しいファイル。金箔の彫りが薄くなった黒の万年筆を置く音が沈黙の部屋を突き破り、音色を奏でる。大理石が合唱して、美しいコーラスに耳を傾ける。
「またサボりか、ファヌエル」
美しい傾聴を突き破った声。音圧が強くて、大理石も思わず沈黙。
「…げ、レリ」
眉をひそめてそいつを見る。そいつは両腰に両手を当てて、いかにも不機嫌そうな顔をしている。
そいつの名はレリエル。夜の天使であり、僕と同じ権天使。僕よりずっと力のある天使で、能天使や力天使になるのも時間の問題だろう。
「そんなに暇なら見回りに行ってこい、木偶の坊」
“木偶の坊”という言葉に少しムッとする。こいつは顔と頭と実力は良いのだが性格と言い方がキツく、その上規律に厳しい。他の権天使からも面倒くさがられているのだ。
「ちょっとくらいいいじゃないか〜…。 」
「怠惰で有罪判決になるぞ」
ド正論。響く声が顔面にぶつかったみたいだ。
そう、僕らは天使だ。怠惰でも傲慢でも強欲でもいけない。まぁこいつはなかなかに傲慢だが。
「…はいはい、行きま〜す…。…あ、パラとメル見た?」
「自分で探せ。」
言わずともバレた。レリのこういう所が怖い。僕の面倒をよく見てくれて、導いてくれている。だけど少し言い方を考えてくれてもいいと思う。
両手を肩の高さまで持ってきて目を瞑り、苦笑いしながら“やれやれ。”とでも言うように首を横に振った。それからまたドアの方へ歩き出した。
レリは無視して本棚を漁っていた。
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大天使ファヌエル
希望の天使
職務:研究・巡回・守護
守護:懺悔・永命
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権天使レリエル
夜の天使
職務:巡回・守護・戦闘
守護:受胎・妊婦・胎児
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