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次の日。朝起きたら、もう雨は止んでた。
窓の外は曇ってるけど、風だけは気持ちいい。
俺はリビングでぼーっと牛乳を飲んで、
るかはソファに寝転がってスマホを見てた。
「……」
「……」
特に話すこともなかった。
昨日みたいに笑いあったり、
何か一緒にやったりもしない。
べつに、仲が悪いわけじゃない。
ただ、本当に何も起きない日だった。
⸻
昼すぎ。
俺はなんとなくスーパーに行って、
適当に冷凍食品を買った。
るかは「別にいらない」って言って、
結局あとで俺の買ったカップラーメンを半分食った。
⸻
夜。
テレビをぼんやり見ながら、二人でアイスを食べた。
音も、会話も、ほとんどなかった。
でも、
その沈黙が、やけに心地よかった。
⸻
ふと、るかがソファにごろんと寝転んで、
片手で顔を隠しながら言った。
「なんかさ」
「うん」
「……この生活、つまんないのかなって、たまに思う」
「そっか」
俺はそれ以上、何も言わなかった。
るかも、
それ以上、何も言わなかった。
⸻
そのまま、
夜は静かに、ただ流れていった。
俺も、るかも、
何も壊さないように、ただ呼吸をしてた。