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いやぁぁぁぁぁ初投稿。新人なのでお手柔らかにお願い致します🙇♀️
💚「佐久間、もうそろそろ出る時間だよ」
キッチンから阿部の落ち着いた声が響く。
リビングのソファに転がっていた佐久間が、
もぞもぞと毛布から顔を出した。
🩷「ん〜……もうちょっとだけ」
💚「昨日も同じこと言ってたよ」
阿部はため息をつきながらも、笑ってマグカ
ップを差し出す。
💚「ほら。甘めにしたから」
🩷「……ありがと」
佐久間は受け取って一口。
口の中に広がるほんのり甘い味に、目を細め
た。
🩷「ねえ阿部ちゃんさ、なんで俺が起きる時間、ちゃんと分かるの?」
💚「もう何年一緒にいると思ってるの。リズムぐらい読めるよ」
そう言いながら阿部はシャツの袖をまくる。
佐久間はその背中をじっと見つめ、
不意に小さな声でつぶやいた。
🩷「阿部ちゃんってさ、ずるいよね」
💚「え?」
🩷「なんでもできて、優しくて、しかもそ
ういうときに限ってちょっとだけ冷たく見え
るんだもん」
阿部は動きを止めて、振り返る。
💚「…褒めてるの、それ」
🩷「うん。たぶん、ね」
照れたように笑う佐久間に、阿部は静かに歩
み寄る。
そして指先で彼の頬に触れた。
💚「そんな顔で言われたら、出かける気なくなるじゃん」
🩷「え、じゃあ…休む?」
💚「…ダメに決まってるでしょ」
苦笑しながらも、阿部の手は頬から離れな
い。
二人の間に流れる空気が、朝の光の中でやわ
らかく揺れた。
佐久間が小さく息を呑む。
その距離は、もう言葉よりも近かった。