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〜第二話〜
電話の後、私は、家を出る準備をした。でも、家を出るのは明日にした。
「今日は、蔵馬の好きなものにしようかな?」
数時間後
『ただいま』
「おかえり!」
私は、蔵馬が帰ってきても、いつも通りにした。なにもなかったように。
「今日のご飯はね!蔵馬の好きなものでーす!」
『ーーーー?ーーーー。』
「ーーーーー!!」
次の日
『いってきます』
「いってらっしゃい!」
ガチャ、ドン(ドアが開いて閉じた音)
「さよなら、蔵馬ボソッ」
蔵馬が出て、1時間たったくらいに私も家を出た。
「さよなら」
家を出て、どのくらいの時間が経っただろうか。もう、ずっと電車を乗り継ぎしている。
「どこにいこうかな?ボソッ」
私は、運命を感じた場所に降りた。ここなら、蔵馬も来ない。絶対に。そもそも、私の居場所を見つけることさえできないはず。
でも、心の奥底では、蔵馬に見つけてもらえると思っている自分がいる。
これは、かくれんぼでは、ないのに。
今日は、旅館に泊まることにした。とても、気持ちのいいお風呂だった。少し、気持ちが軽くなった気がした。
「今頃、蔵馬は、何をしているかな?」
もう、18時を過ぎてるから、家に帰って来てるはず。私がいないことにも、気づいてるはず。
「明日は、産婦人科に行こうボソッ」
ごめんね、蔵馬。ごめんね、お腹の子。