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3.長い付き合い笹岡神奈&笹岡遥斗
ささおかかんな ささおかはると
神奈side
結婚して10年がたった。
お互いもう30代で、熱などもう冷めたもんだ。
明日は男の人みんなが大好きなバレンタイン。
いやもうあげなくてもいいかな。
何をあげればいいかも正直分からない。
子供もいるし、別にあげる必要性もない。
それでもカレンダーを見ると目に入ってくるバレンタインの文字
一応買っておくか。食材を買いに行くがてらバレンタイン用チョコ売り場を見渡した。
GODIVA、。
これでいいか。
次の日。
旦那がソワソワしている。
渡してみるか。
『はると?』
『なんだ?』
『今日って何の日かわかる?』
『え、それ俺から言っていいのか?』
『うん笑笑』
『バ、バレンタインだろ。』
『ほしい??』
久しぶりに見た。はるとの照れてる顔。
やっぱり嫌いになれないんだよな。
『…ほしい。』
小声で言ってくるのがなんだか可愛くて
『はい。あげる。』
ラッピングもしてないただのGODIVAの箱を渡した。
『え、ほんとにこれ俺用????』
はると以外誰がいるのよ
『そうだよ。食べてね。』
『いつ買ったんだ?買った様子が無くて、気づかなかった。』
『昨日買い物行ってきたの。』
『そうか、ありがとう。』
私たちの熱はまだ冷めてなかったみたいだ。
何歳になってもこの人にバレンタインを渡そう。そう思った。
遥斗side
俺たちは結婚してもう長い。
去年のバレンタインもなんだか少し適当な感じがしたから今年こそほんとになくなると思ってた。
仕事帰り、黒に染った空を眺めそんなことを考えていた。
『ただいま。』
返事はない。いつもどおり。
子供たちはもう寝てるのだろう。
妻もリビングにはもう居なかった。
1人でご飯を食べ風呂にはいり、歯磨きをして寝る。
明日はひさしぶりの休みだから家族と顔を合わせる日。
朝はみんなが起きる前に出かけてみんなが寝た後に帰るからほとんど顔を合わせる機会なんてない。
何を考えてるんだ。もう寝よう。
スマホを少し見たあと電気を消して眠りについた。
“ピカッ
『明るっ』
太陽の光で目が覚める。
リビングに降りると久しぶりに見る妻と娘の顔。
『おはよう。、』
『おはよ。』
ご飯ってあるのかな。
探しながら少しソワソワしていると
『はると?』
急に妻が話しかけてきた。名前を呼ばれるなんていつぶりだろう。
『なんだ?』
『今日って何の日かわかる?』
バレンタインのこと?
『え、それ俺から言っていいのか?』
『うん笑笑』
『バ、バレンタインだろ。』
『ほしい??』
何歳にしても上目遣いされると目を合わせるのが照くさい。
本音を言う。
『…ほしい。』
『はい。あげる。』
まさか妻からGODIVAが出てくるとは思ってなかったので思わず
『え、ほんとにこれ俺用????』
きいてしまった。
『そうだよ。食べてね。』
嬉しいな。ほんとに何もかも久しぶりだ。
『いつ買ったんだ?買った様子が無くて、気づかなかった。』
『昨日買い物行ってきたの。』
俺のために買ってくれたのが嬉しくて、
『そうか、ありがとう。』
感謝よりもっと言いたいことがあったが、心の中で伝えよう。
愛してるよ。