テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
yuka🌃🪽💎
236
7,336
コメント
1件
あおいです🌷 第11話、めちゃくちゃ良かったです…! プレゼント選びに悩む姿がすごくリアルで、特に照くんの「ちゃんと喜んでほしいから」っていう一言が胸に刺さりました。お互いに「大事な人」って意識し始めてる感じがもう…。ブレスレットとキーケース、どちらも相手をちゃんと想って選んだのが伝わってきて、キュンとしました。これは仕事の関係じゃなくなっていく予感…! 次のエピソードが待ち遠しいです🤍
プレゼント交換の撮影まで、あと五日。
スタッフから渡されたルールは一つだけだった。
“相手を思い浮かべながら選んでください。”
────────
💜side
仕事終わり。
ふっかは一人で雑貨店へ入っていた。
(照に似合うもの……)
服。
財布。
帽子。
何を見ても違う気がする。
💜「難しいなぁ」
気付けば一時間。
何も買えないまま店を出ていた。
その帰り道。
スマホが震える。
照
💛《終わった?》
💜《今終わった》
💛《買えた?》
ふっかは思わず笑う。
💜《全然》
💛《俺も》
💜《照でも?》
💛《考えすぎて分かんなくなった》
💜《一緒じゃん笑》
メッセージのやり取りだけなのに、自然と笑顔になる。
そのまま最後に届いた一文を見て、ふっかは少しだけ足を止めた。
💛《ちゃんと喜んでほしいから》
短いその言葉が、妙に胸へ残った。
────────
💛side
照も同じ頃、別の店を歩いていた。
(ふっかなら何が嬉しいんだろ)
アクセサリー売り場で立ち止まる。
シンプルなブレスレット。
「プレゼントですか?」
店員に声を掛けられる。
💛「まぁ」
「恋人さんへ?」
照は一瞬だけ言葉に詰まる。
仕事。
そう言えば済む。
でも。
なぜか、その一言が出てこない。
💛「……大事な人です」
店員は優しく笑った。
「それなら、長く使えるものがいいですね」
照はショーケースへ視線を向ける。
(大事な人)
自然に口から出た言葉だった。
────────
撮影当日。
テーマは。
『付き合って半年の記念日』
小さなレストランを貸し切り、食事をしたあとにプレゼントを渡す流れ。
監督から声が掛かる。
「今日はなるべく演技を意識しないでください」
💜「最近ずっとそれ言われますね」
監督が笑う。
「その方がいい表情になるので」
────────
食事を終えた二人。
スタッフが小さな箱をテーブルへ置く。
「それではお願いします」
ふっかが照を見る。
💜「せーので開ける?」
💛「いいよ」
二人同時に箱を差し出す。
💜「せーの」
包装紙を開く。
ふっかの箱には。
シンプルなシルバーのブレスレット。
内側には、小さく刻印が入っていた。
“Keep going.”
💜「……」
照らしい。
派手じゃない。
でも。
言葉に想いが詰まっている。
💜「ありがとう」
ふっかが顔を上げる。
照は少し照れくさそうに笑った。
💛「ふっからしいかなって」
今度は照が箱を開く。
中には。
黒い革のキーケース。
無駄な装飾はなく、落ち着いたデザイン。
💜「照、長く使うもの好きじゃん」
💜「だからこれ」
💛「……」
照はしばらく何も言わなかった。
💜「あれ」
💜「違った?」
💛「いや」
💛「嬉しくて」
その一言に。
ふっかの動きが止まる。
照はキーケースを手に取り、ゆっくり撫でる。
💛「ちゃんと考えてくれたの伝わる」
💜「そりゃ考えるよ」
💛「……ありがと」
その瞬間。
部屋の空気が少しだけ変わった。
恋人役だから喜んでいる。
そう思おうとしても。
目の前の照は、本当に嬉しそうだった。
────────
撮影終了後。
監督が二人を呼び止める。
「プレゼントですが」
💜「はい」
「撮影が終わっても返却しなくて大丈夫です」
💛「え?」
「お互いの物なので」
「そのまま使ってください」
照は手元のキーケースを見る。
ふっかもブレスレットを見つめる。
仕事の小道具じゃない。
これは。
本当に、お互いから贈られたもの。
帰り道。
駅で別れる直前。
ふっかが照の手首を見る。
さっき自分が選んだキーケースはバッグにしまわれていた。
でも。
照の視線は、ふっかの腕にあるブレスレットへ向いていた。
💛「似合ってる」
ふっかは照れ笑いを浮かべる。
💜「ありがと」
照も少し笑う。
💛「大事にして」
💜「照も」
二人は手を振って別れる。
その夜。
ベッドに入ったふっかは、何度もブレスレットを眺めていた。
一方の照も、机の上に置いたキーケースを見つめていた。
どちらも同じことを思っていた。
“仕事で貰ったはずなのに、こんなに大切にしたいと思うのは、なんでだろう。”