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「ごめんなさいね、わざわざ呼び出したりして……」
「いえ、大丈夫です。気にしないでください」
現在時刻午後4時45分。
沙耶架さんに指定された時間の5分ほど前に僕は指定された場所へと到着することができた。
ちなみにここは校舎の裏手で普段あまり人が寄り付かない場所である。
呼び出されるような覚えはないけれど、何か気に障ることでも言ってしまったのかもしれない。
あるいは今までの行動パターンを考えてみると、勝手に勘違いして逆恨みしているだけということもありえる。
それならそれで構わないんだけどね……だって本当に何もしていないんだもん。
ただのクラスメイトだし、接点といえば挨拶ぐらいしか無いはずなのに。
とはいえこのまま放っておく訳にもいかないよねぇ。
呼び出しを無視して後々面倒なことになっても困るし、とりあえず話だけは聞いてあげようかな。
ということで放課後になりました。
指定された場所へ行ってみると既に沙耶架さんの姿があり、こちらに気付いた彼女は微笑みながら小さく手を振ってきた。
「来てくれてありがとうございます。来てくれないんじゃないかと思っていました」
「いえ、約束を破るつもりなんてないですよ。ただちょっと予想外の事態だったので少し驚いてしまっただけです」