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そして結衣は僕の想像通りクラスの注目の的になった。
「小野寺さんはどこからきたの?」
「小野寺さんこんな時期に転校なんて珍しいね?」
そんな様々な好奇心旺盛な質問が飛び交う。
僕とは住む世界がちがう。改めてそう思う。
そんな楽しい交流会の中、僕は相変わらず7月に入ったばかりで少し暑く、涼しい青い空を眺めていた。
何事もなく一日が終わった。何一つ楽しいことの無い学校生活。この世界がなにかの物語だとしたら僕は間違いなく主人公では無いだろう。
そんな僕の唯一の楽しみは真夜中、この地域で最も高い山の展望台で一眠りすることだ。
そこには滅多に誰も来ない。虫の声と風の音だけがその空間には響いている。それが心地いい。
今日も午後11時に1人で展望台で眠っていた。
「ねぇ君、同じクラスだよね?」
人生で本当に心臓が止まりそうになった瞬間だった。
恐る恐る目を開けるとそこにいたのはあの小野寺だった。