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「小野寺…さん?」
僕は何も状況を理解できないまま目に映る彼女の名前を呼んだ
「えーっと、同じクラスの、名前はー」
「橘です。橘昊空(たちばなそら)」
「そう!そらくん!君はなんでここに?」
「いつも暑い日の夜は1人でここに涼みに来るんです。」
「そうなんだ、私もなんか眠れなくてさ」
苦笑いの彼女、昼間とは少し違う人に見える
彼女もこんな表情をすることがあるのか。
そんなことを思っていると
「ここ、すっごい星が綺麗だね。私、前は割と都会に住んでたからこんなに澄んだ空初めて見たかも」
僕はいつも目にしてるなんてことない空。でも確かに少しいつもより綺麗に見えている気がする。
「都会?転校は結構多いの?」
「そうだね、もう慣れっこだけど…やっぱり初めて行く教室は緊張しちゃうよね」
「小野寺さんでも緊張するんだ」
「そりゃあするよ!うまくやって行けるかなーってずっと今も不安」
その言葉あまりにも意外だった。昼間あんなにも和気あいあいとまるで物語の主人公のように囲まれていた小野寺さんの弱音。どこか親近感が湧いてくる。
「そっか、小野寺さんならきっと大丈夫だよ。僕はもう少し寝るね。」
僕はまた寝ようとする。
「私も寝よ!」
真夜中の展望台の原っぱに2人隣で横になっていた。この時の僕は寝たフリをするので精一杯だった。