何度も角度を変えて唇を重ね合わせた。
押し当てるだけじゃ満足できず、薄い唇を舌でこじ開け掻き乱す。
「んんっ…は、あっ」
部屋に響く水の音、シーツの擦れる音
互いの激しい息遣いしか聞こえない。
季節は二月で寒いはずなのに、暖房が煩わしくなるほど熱くなっていく。
無理させてはいけないと、息をするために距離をつくるのに、また居た堪れなくなってキスをするーーーその繰り返しだ。
重ね合わせた手を確かめるように強く握り合った。
「…大丈夫?」
「ん、うん…」
るなさんは視線を合わせず、ただこくりと頷いた。
ーーーだめだ。
今まで抑えていた分欲が溢れてくる。
白くて細くい首に唇を這わせた。
「ひゃ、あっ…!」
より甘い声色にくらくらする。
もっと聞きたくなって、必要以上に首筋へ顔を埋めた。
本能なのか、この真っ白な肌に自分のだと主張したくなる。独占欲に掻き立てられた。
小さく名前を呼び
肩から下へ、滑らかな曲線を撫でた。
女のこって細くて柔らかい。
男とはこうも作りが違うのか。力を入れたら折れてしまいそうだ。
「あ、あのっ…」
「ごめん嫌だった?」
反応してぴたりと動きを止めた。
「違うのその…あの…」
るなさんは真っ赤になりながら、もごもごと言いにくそうにしている。
「るなあの、スタイルよくないから、じしんないです…」
「え?綺麗なのに??」
スタイルなんてその…え、るなさんのスタイルに文句もなにもないんだが。
俺の中ではそんなことどうでもいい。
「それにその、こーゆーの…わからなく、て」
「…そう、か」
初めてって、ことか。
恥じらう姿がかわいくて、再び体を折り重ねた。
お腹の辺りにおいてた手をまた上へとずらし、 膨らみを優しく撫でる。
るなさんから、さっきとはまた違う、甘い吐息が漏れはじめた。
ひとつ、るなさんの体を知れば。
もっともっと知りたくなる。
「だ、だめっ…!」
「嫌じゃなくて?」
だめだ。もっと欲しい。
我慢できずに後ろに手を回しホックを外し、 そのまま服を脱がした。
「は、はずかしい…っ」
露になる肌に息を呑む。るなさんはすぐに手で隠してしまったが、それでも綺麗以外の言葉がわからない。
屑程度に残っていた理性が一気に消え去った。
初めてが俺でよかった。
誰かが一番にこの体を見たのなら、嫉妬で狂うかもしれない。
「るなさん」
熱い。
熱すぎる。
体の奥底が熱を発してるのがわかる。
服が煩わしくなって、着ていたスウェットを脱いだ。
るなさんの目が大きく見開いた。
「…わ、あ」
「どしたの」
「しばさん、なんか…おとこのひと、みたい…」
男のひとなんだけどなぁ。
るなさんらしい感想にふふっと笑ってしまった。
「じゃ、次は俺の番だな。見せて」
隠そうと胸の前でクロスされた華奢な腕を掴み、横へと置いた。
…。
こんなもの感想なんざ言えるわけない。
頭で考えるよりもう、体が勝手に動いていた。
自分にはない柔らかさを堪能する。
「ぁ、ん」
初めての刺激にるなさんは困惑しているようだった。
本能的にでてしまう声にも体にも。
未だ少し抵抗しているような気がする。
「しばさん、へんなこえ、でる…!」
「気持ちいいから、でるんだよ」
「そんなの、よくわかんな…いっぁあ」
「ほら」
何もかもが艶めいている。
唇はずっと這わせたままで、華奢な肩から胸の膨ら細い腰まで何度もなぞった。食べてしまいそうになるくらい、何度も吸い付いた。
るなさんの、漏れる吐息はより激しくなっていく。
「まだわかんない?声でてんのに」
もういい加減わかるだろう。
抑える気もなくなった衝動に忠実に従った。
るなさんの長いスカートを捲し上げ太ももを撫でた。その内邪魔になり、彼女から全てのものを一掃する。
細い。
食べてるのかと心配になる。
そのまま止めることなく、上へと手をずらしていった。
ぐっと強く押せばよくわかる。
ちゃんと気持ちよくなってくれててほっとした。
「だめっ!だめですそこ…!」
「なんで濡れてるよ」
「だからなの…っ」
中に手を入れて入り口を指で押し当てた。同時に親指で突起を愛でる。だんだんと水音が激しくなり、やっぱりまた堪らなくなって指を奥へと突き進めた。
「っう!」
「ごめんな、でもここ…やっとかないと」
大丈夫とは言いつつ、苦しそうな表情。
ゆっくりと進めたり引いたりすれば苦しみが快感に変わっていくはず。
そのうちゆるゆると腰が動いた。
それが嬉しくて、もう一段階力を入れてより刺激した。
「あっ…だめ、かも。それるなだめ…」
「いいよ、好きなようにしてごらん」
「あっ…ぁああん!」
俺の腕を掴み華奢な体が大きく跳ね上がる。
それと同時にナカが蜜と共にひどく痙攣した。
初めてーーー初めてだからかなのか、たぶん自分の状態がよく分かってないんだろう。
でも体は正直で、またビクビクと震えていた。
「も、はずかし、い。やだぁ…」
「かわいい」
うっすら目に涙を浮かべ、羞恥で頰を赤く染め激しく肩で息をしてる。それだけでもたまらない。
一度快感に溺れた表情は俺を惹きつけるのに十分だ。
もっと感じたかった。
白い首筋に何度も何度もキスをして、最後の一回は強く吸い上げ赤い印を落とす。
折り重なってるから、いやでも自分の姿形がわかるだろう。ぐり、と欲望を押し付ければまたるなさんが声を上げた。
戸惑う視線に申し訳なくなって、謝った。
「ごめ、だってるなさんがかわいすぎて」
だめだ、るなさんのこと言えた口じゃない。
何勝手に腰が動く。
それだけでも気持ちよく、結成時から思いを寄せていたことを考えたらまた反応してしまった。
もう脱いでゴムをつけてしまおうか、なんて色々考えていると頭の後ろにるなさんの手が伸びて。
「なんかしばさん…かわいい。すき、です」
ふにゃふにゃな表情で、後ろ髪をゆっくり撫でられた。
今から何するか分かってんのかな…。
何度も言うけど煽りにしかなってない、まぁ何も考えてはいないだろう。
それがるなさんなんだから。
溢れる気持ちが上がっていくのがよくわかる。
とろんとした目に紅潮した頬、キスのしすぎで光る唇。
首から肩にかけて描かれるしなやかな曲線、白い肌、柔らかい膨らみ…
全部
全部俺のだ
誰にも触らせない
誰にも渡さない
「…俺も好きです」
キスがしたくなり唇を重ね合わせた。ふふ、なんてるなさんは小さく笑っていたがそれも全て飲み込む。
大好きだ。
もう一度舌を絡め合う。
るなさんもそれに頑張って応えてくれる。その一生懸命さがまた嬉しかった。
呼吸がしづらいみたいで息が荒くなった。そのタイミングで口を離し服を脱ぐ。
もういいよな、自分も限界だ。
ポケットからフィルムを取り出し、破いた。
丸い形が浮かんでるフィルムがなんなのか、るなさんは理解したらしい。あ、と小さく呟くとそばにあったシーツで顔を隠した。
「どしたの」
「は、はずかしくて」
「だから隠れてんの?」
「う、うん」
さっきまでもっと恥ずかしいこといっぱいしてたんだけどな…。
言えない初々しいしさを感じた。
初めて会った時、小さくて、無邪気で。
コロコロと変わる表情につられてこちらも笑顔になった。
天然でちょっと危なっかしいとこがあって。
一番近くにいたじゃぱぱとのあさんの
気持ちが今ではよくわかる。
まだあどけなさを残していたのに、時折見せる大人の柔らかさに心が打たれて。
かわいいな。
きっと周りがほっとかないんだろう。
無意識に惹きつける
わかりやすくいえば魔性。
想いを伝える予定はなかった。
元気でどこかで笑っててくれたらそれでいいって。
「ん、つぅ…!なに、これ…!」
「せまっ…」
思ってた、のに。
二人でまだ、触れ合ったことのない場所で初めて触れ合った。全身から感じたことない衝撃に襲われ、我を失いそうになる。
そうなると体が勝手に、奥へ奥へと突き進んだ。
“好きです”
全部はそこから始まった。
会話はもちろん、LINEするのも苦労した。
戸惑いと夢見ごごちでいたらなおきりさんに現実だと怒られて。
うりやえとさんに支えてもらって、一個ずつ、埋めるようにふたりの時間を重ねた。
「しば、さん」
荒い息継ぎの最中に、耳元で懇願のように囁かれた。
ダメだった。
繋がったら最後だった。
今まで抑えてきたものはなんだったのかと
そう思うくらい欲をぶつけた。
何度抱き合ってもまだまだ全然足りない。
「あたまおかしく、なるっ」
「っは、ほんと、そう」
もう呆れるほどにしたキス。
確かめ合うように握り合う手。
素肌を重ね合う高揚感
上手く言えない。
愛は尊いんだと
「だめだ、俺ももう…!」
霞がかる頭の片隅で、そんな言葉が浮かんだ。
コメント
3件
尊い … ♡ 神すぎ ます ! 天才 ですね !!
一連が作業の板書にならないように、とにかく尊さをテーマにして書きました。 ただキスをして抱きしめるだけが愛の証拠じゃない。愛は尊いんですよ。 伝われ〜!!(ヤケクソ)