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分かり易い、それにちょっと気持ち悪い発言にも拘らず、頑張り屋のアヴァリティア、元結婚詐欺師、丸々日本人の見た目でありながら、持ち前の会話力と偶に(たまに)見せる可愛いらしい笑顔や、無駄に覚えた薀蓄(うんちく)で、モテない女性を騙し続けてきた、元、男性は、本人の嘘によると北欧のやんごとない血筋を、大嘘で吐き続け、大罪となった今も、騙し易い! その一点だけでこんな見た目を選んだ、安っぽい詐欺師だった存在は、最早答えを知っているであろう質問を浴びせるのであった。
「なぁ…… それって、修行って…… 相手は、いるの?」
「何言ってんのよ、修行って本来、一人で行う物じゃないのっ! 一人よ、一人! コユキ独唱よっ!」
後半はワケワカメであったが、『何とかのアヴァリティア』には…… 随分効いた様であった。
故に彼? 彼女? いや、幼女に化けた詐欺師、アヴァリティアのおっさんは呟いたのであった。
「…… そうか…… 全ては、己の欲、理屈ではなく自分がしたい様に、只々、 我・が・儘 に生きる…… そう主張するか…… しかしっ!」
なんか、ギリギリで踏みとどまった感じでクワっっと、そうクワっとしながら『ダメダメのナンカテア』は叫んだのであった。
「で、では睡眠欲はどうだ! ただ寝る事になんの意味がある? 短い生を貪り続ける人間の生において、睡眠という何の生産性もない時間は四分の一の六時間、長くて三分の一の八時間を占めるのだぞぅ! 存在のための回復、自己保存の本能でなければ、短い人生の間、毎日毎日、それほど長い時間を消費できるのか? ん、んん? これは欲では無い! 断じて違う! 人とは無駄と知りつつも、人間の『シクミ』に翻弄(ほんろう)される、弱く、欲深い生き物なのだぁ!」
「へぇ~ぇ、みんな、そうなんだ? ま、でも、あたしは十六時間普通に寝るけどね♪」
(※善悪のご飯を食べた後限定の情報です)
「じ、十六、じ、時間だと…… 十六時間…… ば、馬鹿な……」
アヴァリティア(詐欺師のおっさん)は心中で唸る。
――――人生の三分の二を惰眠(だみん)に費やす…… それで良いと言うのかこの豚女は? それ以外は? 全てメシくって自分を慰めるソロプレー、だ、と…… まさか…… 三大欲イコール人生の意味? いやいや、未だ欲し続ける人間が多いのだ、我の大罪としての存在意味も確かに残っている! そうだ! 会えたらお願いを叶えてくれる存在として、まだまだ、存在の意義は、! ! ? あれ、俺ってサンタクロー、ス、なんじゃね? あれ、強欲の罪? 良い子にしてたらアヴァリティアさんがプレゼント持って来てくれるのよ! もう寝なさい! んん~、なんだろプレゼントをあげたい自分がいるな、あれ、俺って奪うより、皆にあげる方が嬉しかったんだろうか? ん、んん、あああ、でも想像しただけでも心地良い、もう良いや、認めてしまおう! 俺、皆にプレゼントを分けて回りたい、その……
どうひゅっ!
ここまでの五人以上に勢い良く飛んで行ってしまったアヴァリティアを見送りつつ、コユキは一人呟くのだった。
「なによ、話しの途中で、急に無言で飛んで行っちゃって~、なんだったのかしら? おしゃべりの大罪ぃ? まったくぅ!」
そう言い放つと、大罪最後の一人が待つであろう上階に向かい、ビョーンビョーン、と、お馴染みの化け物染みたステップを踏んで行ったのである。