ピンポーン。
インターホンが鳴ったのは夜の11時を過ぎた頃だった。
「……こんな時間に誰だよ」
怪訝に思いながらも、玄関へ向かう。
ドアを開けた瞬間、目の前に立っていた男が、息を荒げながら低く呟いた。
「岩本くん、久しぶり」
「……目黒?」
驚く間もなく、目黒の大きな手が俺の肩を掴み、そのまま玄関の扉を押し閉めた。
「……っ、めぐ——」
言葉を発する隙すら与えず、目黒の唇が俺の口を塞ぐ。
強引に、そして貪るように。
「ん、っ……は、……っ」
一ヶ月ぶりのキスは、思いのほか熱かった。
焦れた呼吸が互いの唇の隙間から漏れる。
「……ずっと我慢してた」
目黒が俺の背中を壁に押し付ける。
「会いたくて、たまんなかった……っ」
「……俺も、だけど……お前、いきなり——」
「ダメ?」
問いながらも、目黒の舌が唇をなぞる。
唇を食むようなキスの合間に、目黒の手が腰へと滑る。
「……ほんと、目黒は」
呆れたように笑いながらも、指先で目黒のシャツをぎゅっと掴んだ。
「岩本くんと二人きりになれるの、一ヶ月ぶりじゃん……?」
目黒の声が熱を帯びて低くなる。
「電話もしたし、LINEもしたけど、それでも足りない」
「……っ、わかったから……っ」
俺の抗議は、次の深いキスに飲み込まれた。
唇を割り開かれ、舌を絡め取られる。
目黒の腕が背中を強く引き寄せる。
互いの体温がじんわりと混ざり合い、息が詰まるほどの熱が広がる。
「今夜は、絶対に離さないから」
耳元で囁かれ、喉が小さく震えた。
目黒の手がシャツの裾にかかる。
まだ、玄関の扉に背中を預けたままなのに——。
「……、せめて中に入れよ」
掠れた声でそう呟くと、目黒の唇がいたずらっぽく弧を描いた。
「んじゃ、続きはベッドで……」
そう言いながらも、目黒の手は俺を離さない。
今夜は、眠れなそうだ。
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