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「無駄ですよ。貴方の相手は、私ではありません」
外交官はそう言うと、そっと横にズレた。そこには小規模ながら統制の取れた部隊があった。
「まだ、部隊が残っていたのか⁉︎」
「フフフフフフ!我々の国の最高戦力だ!その為徹底的に隠蔽されて来たのだよ!」
そこまで言うとその部隊は、一糸乱れぬ動きで攻撃して来た。グルッペンは一人一人切り伏せてゆく。そして残り一人になった。グルッペンがある意味化け物である。その部隊の隊長となるその一人は、大剣をゆっくり閃かせながらグルッペンの周りをゆっくりと回り始める。
(何故コイツは攻撃力を仕掛けて来ない?こちらの力を測っているのか?それとも……)
グルッペンはこれ以上考えても無駄だと判断し、攻撃を仕掛けた。隊長はひらりと避け、大剣を振り下ろす。すると地面に放射状のヒビが入る。
(はあ⁉︎コイツどう言う腕力してんだよ⁉︎いやいやおかしいだろ⁉︎)
二つの剣を持ってしても、ひらりと避けられ反撃を喰らう。まだかすり傷程度だがあっちは切り傷一つ負っちゃいない。このままでは元々前線に出る事が少ないグルッペンの体力が先に底を尽きるのは目に見えて明らかだ。グルッペンは鍔迫り合いに持ち込んだ時、遂に片方の剣が砕け散った。もう片方の剣で耐えて一旦距離を取るが、勝機が全く見出せなくなっていた。
(ああ、私はここで負けるのか……大事な右腕も守れずに命を散らすとは……総統失格だな……)
「グルちゃん‼︎」
ダーンッ‼︎
トッ
「大丈夫?」
「鬱……お前の持ち場はどうした⁉︎」
「いやー、シッマとかシャオちゃんが暴れまくって、僕の出番無いんだよねー。でロボロからグルちゃんが素性不明の人と争ってるって連絡が入ったから、助太刀って事で来たんだよ」
「そうか……鬱、ありがとな」
そう言うとグルッペンと鬱は横に並び隊長に向けて臨戦体制になった。グルッペンは一つになった剣を構え、鬱は担いでいた狙撃銃を構える。それに対して隊長も大剣を構えた。