そして、翌日。
まだ太陽も昇りきらない、薄暗い早朝。
東京の街がゆっくりと目覚め始める頃、Snow Manのメンバーたちは、それぞれの決意を胸に、静かに家を出た。
昨夜の作戦会議の後、誰もが多くを語ることはなかった。
だが、その瞳に宿る光は、いつもとは明らかに違う、硬質なものだった。
それは、仲間を守るという神聖な使命感と、罪を犯した者への容赦ない怒りが入り混じった、静かで、しかし燃え盛る炎の色。
分担通り、早朝勢である目黒、ラウール、阿部、深澤、渡辺、宮舘の6人は、それぞれの配置につくため、テレビ局へと向かった。
目黒は、約束通り康二のマンションのエントランスで、彼が出てくるのを待っていた。
ラウールは、少し離れた場所で周囲を警戒している。
テレビ局内では、阿部と深澤が、Aが必ず通るであろうスタッフ用の通用口が見える位置に。渡辺と宮舘は、楽屋に繋がる廊下の分岐点で、それぞれ息を潜めていた。
イヤホン型のインカムからは、何も音は聞こえない。ただ、そこに仲間がいるという気配だけが、それぞれの孤独な戦いを支えていた。
まだほとんど人がいない、静まり返ったテレビ局の廊下。蛍光灯の白い光だけが、やけに冷たく床を照らしている。
しかし、その日の朝は何事もなく過ぎていった。
Aは康二に接触してくる素振りすら見せない。続く昼のダンスレッスンも、常に8人のメンバーが康二を囲む形になり、Aが入り込む隙は微塵もなかった。
康二自身も、メンバーがそばにいてくれる安心感からか、昨日よりは少しだけ表情が和らいで見えた。
だが、誰も油断してはいなかった。
本番は、これからだ。
コメント
2件

最近出してなかった…