コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
後宮内
皇太后の宮殿
現皇太后兼蓮華の母 華 梨南《か りなん》
「蓮華、貴方珠奈さんに何をしたの?」
蓮華が二日酔いで吐きそうな顔をするがただ青ざめる。
「いえ、あの」
皇太后が芭蕉扇で口元を隠す。
「昨晩、銀 秀賢から文を頂きました。どうやら蓮華、貴方は珠奈さんに無理矢理したらしいですね。私は失望しました。もしも彼女が望まぬ妊娠をしたらどうするのですか?珠奈さんに何かあったら責任はとれるのですか?」
目が明らかに笑ってない皇太后。
「はっ母上私はただ罪人である彼女を更正しようと」
皇太后が宦官二人に無言の眼差しをすると口を開く。
「そこの二人に命じます。蓮華を捕縛し直ちにあの部屋に連れていきなさい。」
宦官二人が蓮華を捕縛し運び始めた。
「いやー母上お許しをー」
銀家
「皇太后陛下のおなーりー」
漆黒の髪と桃色の瞳 皇太后 華 梨南だ。
日傘と10人以上の付き人これが皇太后としての必要な振る舞いだ。
「五年ぶりのご再会でございます。皇太后陛下。」
「珠奈さん変わらないですね。お元気そうで何よりです。」
両手をあわせて大袖で顔を下げる珠奈。
「お気遣い感謝いたします。」
客間
「申し訳ありません。秀賢殿と珠奈さんに突然の来訪してしまい。」
蓮が口一杯に月餅を頬張る。
「皇太后陛下は皇帝陛下の奥さんなんですか?」
キョトンとするが直ぐににこやかになる皇太后
「あらあら、とてもお世辞のいいの子なのね。珠奈さん」
恥ずかしくなり頬を林檎のように赤くする珠奈
「すみません、皇太后様。この子まだ勉強が始めてない子なので。蓮、この方はね皇帝陛下の母君様のよ。いわば帝の生みの母なのよ!」
「まあまあ、珠奈さん。そこまで気にしなくて構いません。だって子供は素直というではないですか。私が蓮華を出産したのはまだ私が齢13の時ですもの。」
皇太后は若くして蓮華を出産した。生まれは小さな属国の姫として生まれなに不自由なく育った。幼い時から普通の女性とは違って成長が人一倍早い体質だった。13歳の時に後の蓮華の父のお手つきにより蓮華を身ごもり出産した。
後遺症もなく今も元気だ。
本来であれば蓮の祖母にあたり、珠奈の義母になるが蓮の正体と出生を偽ってるためそんな事はない。
皇太后様は相変わらずの見た目だ。
実際年齢は私と少し離れてるだけでただの友人に見える。
三十路だがそれとは思えない体つきだ。
胸は張り、形は至宝だ。
だが先帝が崩御された日皇太后様は無感情だったと噂を聞く。
「先帝への恨み」や「先立たれたことによる悲しみ」などの推測があるが未だに判明は不明のままだ。
「珠奈さん、貴方にいい報告があります。」
「なんですか?」
皇太后が大袖から一枚の文を渡す。
「貴方の無実が一週間後に証明されます。」
「えっ、どういう事ですか!」
「落ち着いてください。実は珠奈さんが追放された後でおかしな事があったんです。 」
珠奈が後宮から追放されてからしばらくして孔林を慕っている中級妃と下女達がなにやら怪しい行動をしていた。
元から珠奈を「下箋の妃」と貶め嫌っていた者達だった為、孔林の毒殺未遂事件の時には珠奈の言い分を遮って言いがかりを言った奴らだった。
「その下女と中級妃達がなにか?」
「実はね…」
何でも見かけない女官が珠奈の宮殿で何かこそこそしているところを見た者がいたらしい。
その見かけない女官を問い詰め見ればその女官は蓮華からのお通りが少ない中級妃「卯鈴」
《うりん》が金子で言いくるめた侍女だった。
卯鈴を問い詰めて見れば珠奈に罪を着せて犯人を装わせ、追放しようとしていたらしい。