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同居生活、二か月半。
朝。
照はいつもの時間に目を覚ました。
顔を洗い、リビングへ向かう。
珍しく朝食の準備をしても、辰哉が起きてこない。
時計を見る。
七時四十分。
💛「……遅いな」
部屋の前まで行き、軽くノックする。
コンコン。
💛「辰哉」
返事はない。
もう一度ノックする。
💛「入るぞ」
ドアを開けると、辰哉は布団にくるまったまま動かなかった。
💛「辰哉?」
近付いて肩を軽く揺らす。
💜「……ん」
いつもより明らかに声に元気がない。
照は辰哉の額にそっと手を当てた。
💛「熱いな」
💜「大丈夫……」
💛「全然大丈夫じゃない」
辰哉はゆっくり起き上がろうとする。
💜「会社……」
💛「今日は休め」
💜「でも仕事……」
💛「無理して行く方が迷惑になる」
辰哉は少し悔しそうな顔をした。
それでも、照の真剣な表情を見て小さく頷く。
💜「……分かった」
────────
照は会社へ連絡を入れるよう辰哉に伝え、お粥を作り始めた。
キッチンには静かな音だけが響く。
十分ほどして、お盆を持って部屋へ向かう。
💛「食べられそうか?」
💜「少しなら」
照はベッドの横にお盆を置いた。
💛「熱いからゆっくりな」
💜「ありがと」
辰哉は一口食べる。
💜「……おいしい」
💛「それならよかった」
────────
照は時計を見る。
💛「俺、今日は午前だけ会社行く」
💜「うん」
💛「昼には帰ってくる」
💜「仕事あるでしょ?」
💛「今日は早く切り上げる」
💜「そこまでしなくていいよ」
照は首を横に振る。
💛「一人で寝かせる方が気になる」
その言葉に、辰哉は何も返せなかった。
────────
昼過ぎ。
約束通り、照は早めに帰宅した。
静かに部屋を覗く。
辰哉は眠っていた。
額に置いた冷却シートが少しずれている。
照は起こさないようにそっと貼り直した。
その時だった。
辰哉が寝ぼけながら照の手首を軽く掴む。
💜「……照」
💛「起きた?」
💜「……行かないで」
小さな声だった。
照は一瞬だけ動きを止める。
寝言なのか、起きているのか分からない。
💛「ここにいる」
その一言だけ返す。
すると辰哉は安心したように手を離し、また眠りについた。
────────
夕方。
熱は少し下がっていた。
💜「ごめん」
💛「何が」
💜「迷惑かけた」
照は水をコップに注ぎながら答える。
💛「迷惑なんて思ってない」
💜「でも」
💛「辰哉が元気ない方が落ち着かない」
照は言ってから少しだけ黙る。
今の言い方は、少し素直すぎた気がした。
💛「……風邪うつされても困るし」
慌てて付け足す。
辰哉はその言葉を聞いて、小さく笑った。
💜「はいはい」
💛「笑うな」
💜「ありがと、照」
照は照れくさそうに視線を逸らした。
同居を始めた頃なら、ここまで相手を気に掛けることはなかった。
気付かないうちに。
“同居人だから”という理由だけでは説明できない気持ちが、少しずつ二人の中に生まれ始めていた。
コメント
2件
午前中できりあげてくれんのやさすぃー!
みぅ🤍🥀です。 第13話、すごく好きな回だった……。 照が辰哉の風邪に気づいて、無理して会社行こうとするのを止めて、ちゃんと介抱するところ。そこまでしてくれるのって、絶対ただの同居人の距離じゃないよね。最後の「素直すぎた気がした」って照が慌ててごまかすところとか、もう可愛すぎて胸がギュッてなった。 二人の距離が確実に縮まってる感じが、このエピソードでひしひしと伝わってきた。続き、楽しみにしてます。
junp
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絶対辰哉
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#岩本照
絶対辰哉
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