テラーノベル
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気づいたら今日10話くらい投稿してることに気づいた(笑)
極限まで張り詰めた糸は、あまりに呆気なく弾け飛んだ。
「……なぁ、太宰。そんなに震えてちゃ、身体に毒だ。俺がもっと、楽にしてやるよ」
中也が引き出しから取り出したのは、鈍い銀色の光沢を放つ、あの首輪だった。 子供の細い首には到底合わない、大人になった太宰を繋ぎ止めるための、冷酷な金属の環。それが視界に入った瞬間、太宰の脳内で「子供」を演じていた理性と計算のすべてが、轟音を立てて崩れ去った。
「――やだ、やめろ!! 来るな、触るなッ!!」
ひらがなの甘ったるい声ではない。 悲鳴と共に溢れ出したのは、かつての「黒衣の幹部」を彷彿とさせる、剥き出しの、大人の叫びだった。
「中也、お前……狂ってる! 全部、全部わかってたんだろ!? 私が記憶を持っていることも、お前を試していたことも……! 離せ、こんなもの、はなせッ!!」
太宰は中也の胸を両手で突き飛ばし、狂ったように暴れた。 もはや「可哀想な子供」のフリなど、一滴も残っていない。涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにし、過呼吸で喘ぎながら、太宰は本能的な恐怖のままに叫び続ける。
中也の動きが、止まった。 けれど、その顔に驚きの色はなかった。むしろ、待ち望んでいた「獲物の本性」を引きずり出した快楽に、その瞳はドロドロと濁り、歓喜に震えていた。
「……ハッ、やっとその口調で喋ったな、太宰。……あぁ、そうだ。全部知ってたよ。手前がチマチマと『可愛いガキ』を演じて、俺をコントロールしてるつもりだったのもな」
中也の手が、太宰の細い首に伸びる。 太宰は蛇に睨まれた蛙のように、ガチガチと歯を鳴らして後退った。
「やだ……、たすけて、誰か……! 中也、お願いだ、止めてくれ、私は、僕はまだ死にたく――」
「死なせねぇよ。絶対にだ」
逃げようとする太宰の足首を、中也が強引に掴んで引き寄せた。 床に組み伏せられた太宰の視界に、あの銀の首輪が迫る。太宰はもう、言葉にならない悲鳴を上げながら、ただ子供のように泣き叫ぶことしかできなかった。
「やだぁ!! 離して、離してよ中也ぁ!! こわい、こわいよぉ……ッ!!」
「いい声だ、太宰。……そのまま、俺の名を呼んで泣き続けろ。死ぬまで、この檻の中でな」
カチリ、と。 絶望を象徴するような、硬質な金属音が部屋に響いた。
コメント
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ふふふふふふふ、中也ナイス((( 太宰さん可哀想なのに可愛い(