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腰が捕らえられ、幾度となく快感へ追い立てられて、
その度に、「あぁっ……ん」声を上げることしかできなくて、はしたないくらいに乱れてしまう。
「痛いですか?」
訊かれて、首を横に振る。
「……もっと、抱いていて……」
「では、もっと奥へ……っ」
強く打ちつけるように挿入された彼自身が、粘膜を擦り最奥に突き当たる。
感じたことすらない感覚に、感情が追いつかない。
どう声にすればいいのかさえもわからなくて、口から出るのは喘ぎばかりで、
その喘ぐ声すらも、浅く息遣いを伴った口づけで塞がれる。
身体の内に溜まった熱が、下腹部から溢れてとろとろと零れ出る。
「あっ……も、いっ…ちゃう…」
「イって…私も…あぁっ……い、くっ…」
艶めいた声音に弾かれるように達すると、同時に達した彼にきつく抱き締められた。
ハァと息をついた彼が、私の胸に顔を埋めるように倒れ込む。
「……抱き合うことが、こんなにも官能を喚び醒ますとは……。性行為などは、相手を感じさせて落とすためのものとしか……」
そう自嘲気味に口にして、
「自分がこれほど感じられるとは思っても……抱くことで得られる快感など、その場しのぎに過ぎないと……」
半ば呆然としたように、彼が呟く。
「……愛してるからです」
私から一言を伝えると、
「……愛してるから?」
彼に訊き返されて、かつてのこんなやり取りがふと思い浮かんだ──。
『……先生に恋をしてないから、落ちないんです…』
『恋…?』
『いくら身体を合わせたって、思いもなければ、気持ちまでは交わらないですから……』
そんな風にも以前は思っていたこの人のことを、ここまで愛するようになるなんて……と感じながら、
「愛し合ってるから、気持ちも交わるんです」
自らの胸にも言い聞かせるように伝えると、
「ああ……私は、そんな些細なことにも気づかないまま、今まで……」
彼が、ふーっと細くため息を吐き出した──。