「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ」
夢から覚めると、左目から大量に血が吹き出している。現実だからなのかわからないが夢の中での痛みよりも想像を絶する痛さだ。
父と母が竜一の部屋に入ってきた。
「おい!りゅういち!なんだこの血の量は!!」
父の声を最後に竜一は気を失ってしまった。
そして病院に運ばれ、すぐさま手術が始まった….
「キーンコーンカーンコーン」
俺の名前は、松村 ライキ。高校2年生だ。
毎日学校は退屈でつまらないと思っている。
何かに縛られるのではなく、自由に生きる。それが
ライキの夢である。
ライキは今日も学校に登校し、教室の中に入る。
席に着き、朝のホームルームが始まるのを待つ。
「おーいライキー!!」
朝から元気に話しかけてきたのは、近藤翔太。
「今日りゅういちのやつみてねぇか??」
近藤はよく竜一と絡んで遊んでいる。
今日は珍しく、竜一が遅刻しているみたいで近藤は
心配しているようだ。
「まあ、あいつが寝坊するのは珍しいよな」
今日は曇りで雨が降りそうだ。少し天気が悪いのをみて、ライキはなにか不吉な予感がした。
先生もやってきて、全員が席に着いた。先生は昨日より深刻な顔をしていた。
「えー皆さんに大事なお話があります。」
先生は2人のことについて話しだした。田中みゆが朝、自分の部屋で亡くなっていたこと、そして黒岩竜一は詳しいことはわからないが今朝病院に搬送されたらしい。
2日に続き、2人が亡くなり、1人が不幸なことにあったことに対してみんなの反応は流石に気味悪がっている。
近藤は学校が終わったら竜一が搬送された病院にお見舞いにいくみたいだ。
「キーンコーンカーンコーン」
今日の学校の一日全ての授業が終わり、あとは帰るだけだ。
「やっと終わったか、そろそろ帰るか」
帰ろうとしたところ、いきなり雨が降り始めた。
「はぁ….傘持ってくればよかったな…」
傘を忘れてしまったので、雨が止むのを待つことにした。だが、雨は止む気配はない。
「ライキー!傘忘れたの?途中までだったら一緒に帰ろう!」
後ろから話しかけてきたのは同じクラスの元気な女の子。今泉 花
彼女はかなりの陽気な性格をしていて、みんなからとても好かれている。とても真面目で前向きな女の子だ。
「ありがとう」
2人で同じ傘に入り一緒に帰ることにした。
その頃病院では…
「ピー ピー ピー ピー」
「手術は成功しました」
医者はとても不思議な顔をしている。
病院には近藤と竜一の両親がきていた。
「竜一君なんですが原因がわからないのです。なぜ突然、目から大量の血が噴き出たのか。」
脳等には特に異常はないと医者は言っている。
まるで寝ている時に何者かが抉り抜いたような感じだと….
そして…
今泉花と別れ、家に帰ってきた松村 ライキは
風呂に入り、飯を食べた。
寝る前に自分の部屋の窓を開け、空を見上げるが
相変わらず雨が降っている。風も少し強くなってきたので、窓を閉め、就寝することにした。
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