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何かのうめき声が聞こえる。
ふと暗闇の中に誰かの気配を感じ、そちらの方に目を向けると、姿はわからないが誰かがこっちを見ている。そして、その背後には不気味な怪物が俺のことを睨んでいた。
「…..!?」
そして、松村 ライキの初めての恐怖が始まる。
目を覚ますと知らない部屋のベッドで横たわっている。周りには、自分の机、本棚やタンス等、ライキの部屋にある物がたくさん置いてあった。
「ここは…だれの部屋だ…」
昨日の記憶を思い返す。夜は確かに自分の部屋で寝たがはずだがその後の記憶はない。
ライキはまだ夢だとは気づいていなかった。
ベッドから起き上がると自分は学校の制服を着ていた。
不思議に思うも、そのまま部屋から出ると、
正面には少し開いている扉、右の扉は完全に開いている。左の2つの扉は閉まっているが、真ん中の奥の扉は開いている。
とりあえず少し開いている正面の扉を開けると、嗅いだことのある匂いがした。
「この匂いは…」
同じクラスにこの匂いの香水をつけているやつがいた気がするが、誰かは思い出せない。中を覗いてみるがベッドが置いてあるだけだった。
次に右の扉全開の部屋に入ると、何者かがベッドで寝ていた。流石に起こしてはまずいと思い、そのままその部屋を後にした。
左にあった2つの部屋は鍵が掛かっているので
奥の扉を開け、長い廊下が続いていた。
廊下を歩いていると、突き当たりで左右に別れる道があったのでとりあえず右に行くことにした。
次の扉を開けると寝室のような部屋に出た。
「広いお家だな…」
寝室の反対側にまた扉があるので開けると、
また更に長い廊下と奥に扉だ。
「どんだけ広いんだ…普通の家じゃないな…」
廊下を渡り、扉を開けると、とても広い玄関ホールへと繋がっていた。
「今まで2階にいたのか…」
階段を降り、外へ出ようと扉を開けるが開かない。
「なんだこの扉…」
今まで見た扉の中でとても構造が複雑で鍵穴等は見当たらないが、何かはめこむような物がある。
周りを見渡すと、自分が2階から出てきた扉と反対側にも階段があり、赤い扉がある。
1階の正面にも2つの扉があり、天井にはフランス式のいかにも高そうなシャンデリアが吊るされている。
「どれだけお金持ちなんだよこの家主は…」
すると突然、家のどこからか夢の中で聞いた怪物のような声が、家中に響きわたる。
「グォォォォォォォオオオオオオオ」
ライキは驚きながらも好奇心からか、声のする自分が2階からきた廊下の方に行くため階段を上がり扉を開けると、ライキの目の前に泣きながらも笑みを浮かべる田中みゆの姿が幻影として現れる。
「竜一….好きだよ…」
竜一に気持ちを伝えたみゆは次の瞬間姿を消し、なんと目の前には怪物が姿を現した。
怪物がライキを襲おうとした瞬間、誰かが後ろから手を引っ張ってくれたが、手を引っ張ってくれた相手の姿も消えていた。そのまま階段を降り、反対側の赤い扉がある方の階段を上がる。
怪物は翼を広げ1階へ降りずに一気に反対側の赤い扉へ飛び込んできたが、いきなりシャンデリアが落下し、怪物は下敷きになった。
そしてライキはそのまま赤い扉を開け、脱出し徐々に気を失っていった…