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ピーナッツ
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【視点:or】
バチっと一瞬、痛みが肌の表面を駆け抜ける。
皆さんは経験したことがありますか?
それは静電気。
大体の人が一回は経験したことがあるもの。
僕ももちろん経験した事ぐらいある。
軽いショックのようなもの。
人によって、
あるいは場合によるのだろうか?
その痛みや衝撃は変わってくる。
これは小さな静電気から始まった、一つのお話。
「もー!おらふ、何やってんだよ〜笑!」
その一言で周りが笑いに包まれる。
みんなが笑ってて、
僕も笑った。
純粋に嬉しかった。
みんなが僕で笑ってくれてる。
それは、僕にとって、
僕自身が笑わせたのと同じだ。
実際、意味合いとしても事実としても合っている、はず。
、、うん、この時点ではまだ、合っている。
誰かが笑ってくれると嬉しい。
人の笑顔を見るとなんだかこっちも嬉しくなってくる。
だから、イジられていても、
人が笑ってくれれば。
、、いつしか日々が過ぎて。
なんとなく、絡まれることが増えた。
人と関わるのが増えただけ。
前よりも仲良くなっただけ。
そんな小さなおまじないで、
気にしないでいられた。
ちくっと心に静電気。
気にしないでほら大丈夫。
周りはみんな、笑ってる。
笑ってくれれば、それでいい?
どこかに違和感。
微かな痛み。
でもみんなは笑ってる。
笑ってるなら、きっといいこと。
ごまかし、まやかし、おまじない。
ギュッとふとして服握り。
まあよくあるさ、気のせいだ。
何がよくある?わからない。
周りの笑顔がなんかのCGみたいに見えてくる。
「あれ、おらふ左利きだったんだ。」
「え、まじ?左利きって不器用らしいよ」
「何それウケるんだけど!」
「確かにおらふってちょっと変わってるよねー」
「個性的?ってゆうかさー!」
ジェンガという、木の棒を積み重ねてゆくゲームがある。
木製の長方形ブロックを積み上げていったタワーから、
1本ずつブロックを抜き取って一番上に積み直していく、
崩れないようにするスリルを楽しむ。
そんな人気のバランスゲーム。
その崩れの原因となるのは、
置いてゆくときどうしても生じてしまう小さなズレ。
だんだんと置く時のズレは大きくなる。
途中から置き方も大雑把になっていき、
急に何回かズレが大きくなることもある。
「個性的って、単純にちょっと変って言えばいいじゃん!」
今回はさらに、大きなズレが二つ重なった。
もう、誤魔化しなんて効かない。
状況はそのステージを、超えてしまっていた。
苦笑い。
ちょっと距離を置く。
やめて、とか。
それってよくないよ、とか。
言ってみる。
苦笑いなんて無視。
離れようとすれば捕まる。
「えー別にいいじゃん!」
「ノリ悪くね?」
注意しても主張しても、
無視かエスカレートの二択。
暴力も振るわれるようになって、
もうストレートに、
これ、イジメだよ。
無視された。
先生に言っても、駄目。
相手になんかしてくれない。
人間には誰にでも、少し攻撃的な面がある。
普段は影に潜んでいて、
そのサディズムに、僕は晒された。
もがくのも辞めた。
僕は、
学校という閉ざされた拷問部屋から逃げられなかった。
コメント
1件
ああ、これ…読んでて胸がぎゅってなったよ。 最初は「みんなで笑ってる」って思ってたのに、だんだん笑顔がCGみたいに見えてくる感覚、すごくわかる。ジェンガの比喩もズシッときた。小さなズレが積もって、もう戻せなくなるんだよね。 「静電気」ってタイトルも、最初は小さな痛みだったものが、じわじわと心を削っていく様子にぴったりだと思う。まがかみさんの、痛みを静かに描く表現、本当に好きです。続きも読ませてください。