テラーノベル
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オープニングセレモニーが終わって開門するなり、佐久間、向井、ラウールの三人はすぐにエントランス・プラザへと足を踏み入れた。
噴水に湖に、その奥に見える天耀宮エルセリオン。それらには一切目もくれず、佐久間は入って右手側のエリアを指さした。
🩷「うわ! あれすげえぞ!」
見えたのは、高速で回転しているアトラクション。
🧡「ほんまや! めっちゃぐるんぐるんしとる!」
🤍「ヤバーい! めっちゃ楽しそう!」
🩷「よっしゃ、行くぞー!」
🤍「オー!」
佐久間を先頭に、向井とラウールも勢いよく走り出す。後ろの方で岩本が注意する声が聞こえたような気がするけれどお構いなしだ。
目についたアトラクションに乗り、全力で叫んで笑って楽しむ。降りてくるなり次のアトラクションに向かい、また全力で叫んで笑う。
降りてきてからも元気なままだ。
🩷「今のめっちゃ回転したな!」
🧡「いや、さっくんが回しすぎなんよ」
🩷「にゃはは。ラウールなんてずっと爆笑してたしな」
🤍「めっちゃ楽しかったー!」
🩷「うおっ! なんか飛んでるぞ!」
🧡「ほんまや! 次あれ行こう!」
🤍「もー。いきなり飛ばしすぎてバテないでよー?」
笑顔で呆れながらも一緒に走っていくラウールはやはり同じようなテンションでいるので、とても楽しそうだ。
空中で回転するブランコ、地上でダンスするようにうねりながら回転する乗り物、モノレールのようにレールが上についているコースターに次々と乗っていると、どこからか水しぶきの音が聞こえてきた。
🩷「なんか、あっちから聞こえねえ?」
🤍「……ホントだ。水のアトラクションでもあるのかな?」
🧡「全制覇目指すなら行ってみようや」
🩷「だな」
何が待ち受けているか分からないけれど、ワクワクする気持ちは止められない。音に向かって走って行くと、目の前には大きな水しぶきが見えた。それは泉から出ており、次の瞬間、水しぶきの間を通って天まで昇っていくコースターが見えた。
🩷「うおー! すっげ、今、水から出てきた?!」
🧡「あれヤバない!?」
🤍「見て見て。ここの下にもレール通ってるよ。トンネルになってて、水の中を進むんだね」
🩷「うわ、ちょーいいじゃん!」
ハイテンションのまま、三人は《ウンディーネの軌跡》と書かれた水を模した看板を潜り抜ける。
その先の道は緩やかな下り坂になっていた。
白と淡い水色を基調とした通路の両側には、水の流れを思わせる半透明の壁が続いている。頭上にも薄い青の光が揺らめいており、歩いているだけで少しずつ水の中へ潜っていくような感覚になる。
けれど三人がそれをゆっくり眺めているはずもなく、聞こえてくる悲鳴にますますテンションを上げながら先へと進んでいった。
おその★
23,007
めかぶぷりん
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#SnowMan
おその★
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483
🧡「めっちゃ叫んどる!」
🤍「ヤバ、楽しみー!」
🩷「早く乗りてー!」
やがて視界が開け、乗り場へと辿り着く。
そこには、流線型の車体を連ねたコースターが停まっていた。白銀を基調とした車体には淡い水色のラインが入り、側面には水面を切って進んだ時にできる波のような模様が描かれている。
ホームの両側には細い水路が流れ、天井から落ちる青白い光がその水面でゆらゆらと揺れていた。
席は迷わず一番前。先頭に佐久間とラウール、佐久間の後ろに向井が乗り込むと、カチリ、と安全バーが固定される。
正面にあるのは、青い光に満たされたトンネル。レールはその暗がりへ吸い込まれるように続いていた。
🤍「これさ、最初から水の中なのかな?」
🧡「どうやろ。出てくるとこのコースターしか分からんかったな」
🩷「あれ結構、高かったよな。ってことは、スピードもあんのかな!」
やがて短いベルの音が鳴り、ゆっくりと車両が動き出した。
けれどそれは進行方向とは逆に向かっていく。
🩷「あれ? 後ろ?!」
🧡「え、なんで?!」
前に進むと思っていたら後ろに進んでいるものだから、頭の中は軽いパニック状態だ。そして段々と角度が変わっていく。コースターの後方が持ち上がり、先頭にいる佐久間達がほぼ垂直になった、その時だった。
何かが放たれたように、一気にスピードが出てコースターが前に進んでいった。乗車地点を通り過ぎて岩の間を抜けると青空が広がる。コースターは急上昇してカーブを描いて旋回すると泉の中へと落ちていく。そのまま湖中を、縦に横に波打つような軌道で駆け抜け、そして一気に上昇した。最初に見ていた水しぶきの中を通って天に昇っていく。
途中途中で「うおおおお!」という佐久間の声と「キャハハハハ!」という超音波のようなラウールの高い笑い声と、「ひいっ」という向井のか細い悲鳴が混ざり合うが、それらはコースターのスピードで起きる風に全て掻き消されていく。
あっという間に元の乗車位置まで戻ってくると、魂の抜けたような向井を見て、佐久間もラウールも爆笑するのだった。
ウンディーネの軌跡を降りた後も三人の勢いは止まらず、目についたアトラクションを幾つか乗り継いでいく。
そうして次に辿り着いたのが、《グラビティ・スフィア》だった。
巨大な球体を中心に、幾つものアームが放射状に伸び、その先に座席がついている。一見しただけでも回転するのは分かるけれど、動き始めるとそんな単純なものではなかった。
中央の球体そのものがゆっくりと回り始め、それに合わせてアームが上下する。更に座席まで縦方向へ回転し始めた。
🩷「うおおお! どっち向いてんの、これ!」
🧡「わからへん! 空どこや!?」
🤍「あはははは! 康二くん逆さまー!」
🧡「ラウもや!」
空が見えたと思った次の瞬間には地面が見え、ようやく身体が上を向いたかと思えば、そのまま横へ振り回される。中央の球体も回り続けているせいで、今どこにいて、どちらを向いているのかも分からない。
ただひたすら回って、振られて、また回る。
ようやく全ての回転が止まり、地上へ降りた三人は呆然とし、一度、揃って空を見上げた。
🧡「……空、上にあるな」
🤍「あるね」
🩷「良かったわ」
数秒後には三人揃って吹き出した。
それでも三人は懲りることなく、次から次へとアトラクションを乗り継いでいった。
巨大な円盤に乗せられて、回転しながら空高く振り上げられるもの。塔の頂上まで一気に上昇したかと思えば、次の瞬間には地上へ向かって急降下するもの。急カーブを曲がるたび、車両そのものまでくるくると回転する小型のコースター。
どれだけ回っても、落とされても、三人の笑い声が途切れることはない。
🩷「次、行くぞ!」
🤍「あれいいんじゃない?」
🧡「むっちゃ叫んどる!」
そんな調子で片っ端から乗っているうちに、三人はいつの間にかパークの奥まで来ていた。
途中のフードワゴンで買ったドリンクをストローで飲みながら湖を眺めている。
🩷「結構、乗ったなー」
🤍「もう、右側は制覇したんじゃない?」
🧡「せやね。あちこち乗って、ちょっとフラフラや」
🩷「最後の回転、えぐかったな」
🤍「あんなに連続で横回転したの初めてだよ」
🧡「あれな。スクリューみたいなやつ。グラビティ・スフィアみたいな前後左右斜めぐるんぐるんも結構やったけど、ひたすら横にぐるんぐるんもヤバいわ」
🤍「横っていうか、縦っていうか。座席の動き方、ドリルみたいだったね」
🩷「わかる。ひたすら側転を超高速で連続、みたいな」
ずっとアトラクションに乗り続けていたから小休憩としてドリンクとフードを買って食べ、小腹も満たせたし次はどうするかと思っていると、湖の向こうに何やらシャボン玉のようなものが浮いてるのが分かった。
🩷「なんだあれ?」
🤍「ん? どれ?」
🩷「ほら、向こう。なんか飛んでねえ?」
🧡「ほんまや。シャボン玉?」
🤍「シャボン玉に乗れたら最高じゃない?」
🩷「確かに! こっち側のアトラクションもうないし、向こう行ってみるか!」
ズズッとドリンクを飲み干し、近くのごみ箱に捨てるとまた走り出した。
シャボン玉のようなものを目指して湖沿いを進んでいくと、途中で天耀宮エルセリオンのすぐ傍を通る。
🩷「うわ、でっか!」
🤍「近くで見るとすごいねー」
🧡「むっちゃ綺麗やん!」
三人とも感嘆の声を上げるものの、足は止まらない。今の興味は、空に浮かんでいる謎のシャボン玉に一直線だ。
そのため、エルセリオンの隣にある花の形をした観覧車の前を通っても、その大きさと美しさに目を向けるだけで、足を止めることなく通り過ぎていった。
近づくにつれて、シャボン玉のように見えていたものの正体もはっきりしてくる。
空に浮かんでいるのは、透明な球体をした四つのゴンドラだった。表面は光を受けるたびに淡い虹色を帯び、その周囲には細かな光の粒がキラキラと瞬いている。球体はそれぞれ高さを変えながら、風に漂うシャボン玉のようにゆっくりと空を昇り降りしていた。
その下にある乗り場も、白銀と淡い水色を基調とした涼しげな造りで、頭上には《天空のダイヤモンドダスト》の文字が掲げられている。
🤍「あれ? 思ったよりゆっくりだね」
🧡「ほんまや。でも、シャボン玉ならそんなもんか?」
三人揃って空を見上げる。四つの球体は、どう見ても穏やかに浮かんでいるだけだった。
その時、「きゃああああああ!」と、どこからか大きな悲鳴が響き渡った。今の悲鳴は近かった。というよりも、目の前に浮かんでいるシャボン玉の方から聞こえてきていた。
🩷「えっ、悲鳴? 何で?」
🧡「わからへん」
🤍「なんかあるのかもね」
顔を見合わせると、キランと佐久間の目が輝いた。
🩷「とにかく、乗ってみるか!」
佐久間の号令に、向井もラウールも元気よく「オー!」と言って、乗り場の方まで向かって行った。
乗り場に着くと、シャボン玉のような透明な球体があり、乗り降りできるドアがついていて、その中にはドアを向くように半円状に座席が四つ置かれている。
「座ったら腰のベルトを閉めて、安全バーを下ろしてください」
キャストから説明を受けるも、三人とも不思議そうな顔をしている。
🧡「ベルトに、安全バー? なんで?」
🩷「まあ、しなきゃいけないから、するか」
言われた通りにぎゅっとベルトを締めて、頭上にある安全バーを下ろす。それはジェットコースターについているようなものと同じだった。
「高所にいきますので、安全の為です」
ニコッと笑う男性キャスト。
なるほど、と納得しているとドアが閉められ、きちんと施錠もされる。それからほどなくして、シャボン玉はふわっとゆっくり上昇を始めた。
🩷「おお、やっぱりゆっくりだ」
🤍「でも結構な高さだね」
🧡「ほんまやね。地面が遠いわ」
🤍「このアトラクションがそもそも、結構高いところにあったもんね。あの階段、何段くらいあった?」
🩷「んー。100くらい?」
🤍「佐久間くん、適当」
🩷「お! 景色すげーな!」
🤍「ホントだー。全体見渡せるかも」
🧡「むっちゃええやん! 写真撮りたいわ」
🤍「でもここ、カメラ持ち込みできなかったよね」
🧡「そうなんよ。残念や」
向井ががっくりと肩を落とした瞬間、ガクンと落ちたのは乗っているシャボン玉もだった。
天空のダイヤモンドダストから降りてきた三人は、ふらつく足で隣のグランド・テラスに来ると、設置されているベンチに腰掛けた。
🩷「やっばい落ちたな! 今の!」
🧡「あんな激しいと思わんかったわ」
🤍「あの不意打ちはダメだよ。僕ちょっと疲れたー」
🧡「さすがにちょっと休憩せなあかんわ」
🩷「だよなー……おい見ろ! なんか展望デッキ浮いてんぞ!」
🧡「お、ほんまや! 行こ行こ!」
🤍「え、ちょっと休憩はー!?」
数秒前に自分たちが言ったことなど、まるで忘れてしまったかのような佐久間と向井は走って行き、ラウールも慌てて後を追った。
二人が向かった先には、《展望デッキ》と書かれた看板が立っていた。そこから数メートル先、高い位置には、確かに展望デッキが浮かぶように存在している。しかし、そこへ続く道はなく、改札ゲートのようなものが設置されているだけだ。
🩷「ん? どうやって行くんだ?」
🤍「なんか書いてあるよ。あなたの力で道は開かれます。だって」
🩷「あなたの力って何だ?」
🧡「異能ってこと?」
🤍「まさか。普通の人だっているんだから違うでしょ。あ、ここにもなんか書いてある」
そう言ったラウールの視線はゲートの前の地面。そこには1~5までの数字が書かれている。
🤍「なんか踏めそうだけど……踏んでみる?」
🩷「じゃあ、俺! 踏むわ!」
勢いよく手を挙げた佐久間が1と書かれたところを踏んでみる。けれど、何も起こらない。
🩷「あれ? じゃあ、次」
今度は2と書かれたところを踏んでみる。すると、今いるところのすぐ下から岩でできた板がせり出してきた。
🧡「うおっ。なんか出てきた」
🩷「踏んだら出てくんのか。じゃあ、次!」
次に3と書かれたところを踏んでみる。すると今度は、今せり出してきた岩が引っ込んでいってしまった。
🩷「あれ?」
🧡「これあれやない? 正しい順番じゃないと出来上がらんってやつ!」
🤍「そうっぽいね。最初は2で、その次は1か4か5だね」
🩷「最初は2、次が、4!」
せり出してきた岩の板は再び戻って行ってしまう。
🩷「くっそー! ダメかー!」
🧡「ちょ、さっくん、俺に任しとき」
そう言って向井は2を踏み、次に1を踏む。すると、二段分の階段が出来上がった。それから続けて4、3、5と踏んでいくと、五段分の階段が出来上がり、それはちょうど展望デッキに接続する形になった。
🩷「おー、すげー!」
🧡「せやろ! ちょっと最後だけ重かったけど、いけたわ」
安全用の手すりがゲートから伸びていくとゲートが開き、そこを通って展望デッキへと向かった。
階段を登った先にある展望デッキは岩でできており、円形にぐるりと高い柵が設けられている。そしてその一角だけ、人ひとりが通れるほどの細い通路が、柵の向こうへ突き出すように伸びている。近づくとそこは下が何もなく、眼下には景色が広がっている。
🩷「うわ、ここやべーな」
🤍「え、ちゃんと床、あるよね」
🩷「マジでなんも見えねーぞ」
そーっと、向井がギリギリのところから足を出してみる。佐久間にがっしり掴まったまま、ゆっくりと出して、そっと下ろす。トン、と何かにぶつかったのが分かった。それからゆっくりと体重をかけていく。
🧡「おー、大丈夫や」
🤍「そりゃそうでしょ。何もなきゃ落ちちゃうよ」
🧡「そうやけど! さっくん、先行ってーな」
🩷「んじゃ、いってきまぁす!」
足を離した向井に言われて佐久間が先端に向かう。透明な床の上に立つ。下から風が吹き上げてくるような感覚にぞわっとした。
🩷「うひょー、こえー!」
🧡「じゃあ次、俺がいってくるで」
佐久間とは違い、そーっと足を下ろす向井。片足を下ろし、もう片方を乗せた瞬間にふわっと感じた浮遊感。足元に何もないということを痛感させられ、思わず飛びのいて後方に尻もちをついた。
🤍「うわ、康二くん危ない」
🧡「せやかて、なんか怖かったんやもん。こう、ふわっと!」
🩷「俺もなんか風感じてちょっとビビった」
🧡「やろ? 無重力って感じでヤバかったわー」
🩷「ラウールも行って来いよ」
🤍「僕はいいー。さっきのとここでも景色見れたから。それより、お腹減っちゃったー」
🩷「さっき軽くしか食べてないしな」
🧡「向こうのあれ、湖の方、なんか長いテラスみたいなん見えん?」
🩷「どこ? あ、ホントだ。あの辺、食べ物とか置いてそうだな。そっち行くか!」
🤍「さんせーい!」
向井が写真を撮るのを待ち、三人は展望デッキを後にし、そこから見えた湖畔のフードストリートを目指した。
パーク左手側、湖畔の大半を占めるほどの長さを誇るフードストリートは、レストラン、フードワゴン、デザートビュッフェなど様々な店が軒を連ねていた。他にも食事を楽しめるところはあるが、ルミナシアパークではここが最大なのだろう。時刻は13時半頃で、昼食時も終わりに近いからか、人の姿はそれほど多くはなかった。
レストランでゆっくり食べるより、食べたいものを好きなだけ買って食べる方が性に合っている三人は、テイクアウトのお店を主に回り、それぞれ違うものを買ってきてはシェアをしつつ、パーク手前の方まで食べ歩きながら向かってきていた。
そしてお腹も満たされた頃、この後はどうしようかと思っていると、佐久間の目にその姿が映り込んだ。
🩷「阿部ちゃーん! れーん! 翔太ー!」
見つけたのは、阿部、目黒、渡辺の絶叫苦手組の三人の姿。
大きく手を振りながら走って行き、そのすぐ後ろを向井とラウールも走って行った。
💚「相変わらず元気だなー、佐久間」
🩷「もち! まだまだ元気だよー!」
💙「ちょっと康二、へばってねえ?」
🧡「んなことあらへんよ。まあ、さっくんについてくのはなかなかハードやけど」
🤍「いや、康二くんだってほぼ一緒だったよ。休憩しようって寄ったのに、30秒も座ってなかったじゃん」
🧡「あれはほら、むっちゃおもろかったやん、あの展望デッキ」
🖤「展望デッキって、もしかして、グランド・テラス?」
🧡「そそ。めめ達も行ったん?」
🖤「いや、さっきトラムに乗った時に阿部ちゃんが説明してくれてたとこ。下が透明の展望デッキって」
🤍「そうそれ!」
💙「よくそういうとこ行けるよな」
🤍「しょっぴーも阿部ちゃんも行かなくて正解だよ。景色なら、他のも見れるしね」
💚「俺たちは日輪のロゼット乗ったよ。景色はかなり綺麗だった」
🤍「あれねー。僕たち素通りしたやつ」
💚「だろうね。佐久間達にはスリル足りなさそう。でも、ゆっくり写真とか撮れてる? ここ、絶景が多いから康二はいっぱい撮りたいんじゃない?」
🧡「絶景ポイントでは写真は撮ってるで。その展望デッキでも撮ったし、あとあれ、ウンディーネの軌跡もいい感じやった」
💚「へぇ! あ、写真と言えば、トラムって乗った?」
🤍「僕ら移動系のは乗ってないよ。ずっとダッシュだから」
🧡「写真でなんでトラムなん?」
💚「そこのね、パストって書かれてる車両が写真ぽいから、康二好きだと思うなって。他の車両も面白かったし。ね?」
💙「あれはね、行った方がいい。マジで楽しい」
🤍「お、しょっぴーがそこまで言うの珍しいね」
💙「だろ」
💚「自分で言うんだ」
🩷「ってか、阿部ちゃん達どっか行こうとしてた?」
💚「ここ。星空ホール。めめご希望の場所」
🩷「あー。蓮は絶対、好きだよ」
🤍「え、僕らも一緒に行っていい? 食べた後だし、僕ちょっとゆっくりしたい」
🖤「もちろん」
🧡「ええな。みんなで一緒に回ったら倍楽しそうやね」
わいわいと話しながら、星空ホールの中に入って行った。
六人で星空ホールへ入ってからしばらくは、佐久間達も阿部達と同じ速度でゆっくりと見て回っていた。
近づくと姿を現す星座を眺め、阿部の説明を聞きながら、緩やかな階段を上っていく。時折佐久間やラウールが気になったものを指さしたり、向井が阿部に質問したりと、先ほどまでとは打って変わって穏やかな時間が流れていた。
けれど、それが長く続くはずもない。
星座の旅が終わりに近づき、その先に天の川が広がり始めた頃だった。無数の星が帯のように連なり、その奥には淡く色づいた星雲が浮かんでいる。
🩷「うお! なんかすげー光ってんのある!」
🧡「ぅえ、ちょ、さっくん!?」
🤍「あーもう、またー?」
次の瞬間には、佐久間はもう駆け出していた。
興味を惹かれるものを見つけた佐久間は、あっという間に先へと駆けていく。向井が慌ててその後を追い、ラウールも呆れながら駆け足になった。
そこからは、すっかり元通りだった。
星雲の中を歩くような空間では、色とりどりの光に包まれて三人揃って歓声を上げ、その先に広がる無数の星には何度も足を止める。けれど、一つをじっくり眺めている時間は長くない。佐久間が次の光を見つければ、向井とラウールもそちらへ向かい、三人の姿はどんどん先へと進んでいった。
そうして幾つもの星の景色を抜けた先で、緩やかに続いていた階段が終わる。
そこから先は、今までとは違って何もない空間だった。
壁も床も暗く、星の光すらほとんど見えない。
🩷「あれ? 終わり?」
🧡「出口っぽいけどな」
🤍「なんか急に真っ暗だね」
三人がそのまま進んでいくと、正面に淡い光が浮かび上がり、足元から細かな光の粒がふわりと舞い上がった。光の粒が凄いスピードで後ろから前へと飛んでいく。その中を歩き、正面のゲートを潜り抜けると、そこはもう外だった。
🩷「うおっ?」
バランスを崩して倒れそうになった佐久間。
🤍「佐久間くん、何やってんのー」
🩷「にゃはは。ちょっとフラついちった」
🧡「今の映像、なんか感覚おかしなるもんなー」
🤍「確かに。ワープしてるみたいだったね。宇宙の奥に行ったから、地球まで一気にっていう感じ」
そうして話しながら向かうのは、先ほど、阿部達と話している時に出てきたトラム。「康二は好きだと思うよ」という阿部の一言に、向井が心を動かされたからだ。
🤍「でも正直、ここまでずっと走りっぱなし歩きっぱなしだったから、乗り物に乗るのはさんせーい」
🩷「まあ、ちょっとくらい、いいっしょ。前半でかなりアトラクションは回ったからな」
🧡「結局、あんま休んでへんしね」
🤍「そうなんだよ。僕、何回も休ませてって言ってるのにー」
🩷「ごめんごめん。あ、あれじゃない? トラム」
パーク左側の方から向かって来る蒸気機関車型のトラム。タイミングばっちりだったな、と停車しているトラムに乗り込んだ。
乗ったのは《PAST》と書かれた車両。阿部にオススメしてもらったところだ。中に入るとすぐに向井が車窓に釘付けになる。佐久間とラウールも少し眺めていたが、他の車両に行ってくると告げて《INFORMATION》の車両の方に行った。そこでいろんな情報を眺めているうちに、トラムは次の停留所へと到着した。
向井と合流し、三人揃ってトラムを降りる。
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