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どうも、作者のぬみるです。
三秒後には回収する伏線を大分張っているつもりなんですけどはたしてそれがちゃんとした伏線かは怪しいです。
注意事項は前回と同じです。
ではれっつらごー
知りたい
久々に入ったらだおくんの家は、びっくりするほどきれいだった。
いつもはごちゃごちゃしてるのに…。
余分なものがないリビングには、どこか生活感がなかった。
「…どうする、俺らただ突撃しようってだけで何するか決めとらんぞ」
こそっときょーさんがレウさんに聞く。
らだおくんは、クッションも脱いだ服もないソファーに座って、携帯をいじっていた。
俺は、さっきから抱いていた違和感を確かめようと、らだおくんに近づ。
「ネェ、らだおクン…」
「ん、なぁに?みどり」
首をかしげながらこっちを見るらだおくん。
なんと聞けばいいかわからずに俺が言葉に迷っていると、後ろの方に立っていたコンちゃんが助け舟を出してくれた。
「ん~、会いに来たくなっちゃったんだって~」
「…そうなの?www」
コンちゃんの言葉に同意するように、コクリとうなずく。またらだおくんは、携帯をじっと見つめた。
その間も、左手は羽織のポケットの中だ。
「…ん?」
ずっと俺の後ろでらだおくんをみていたコンちゃんが、何かに気づいたように声を上げた。
「らっだぁ、手荒れてるね~、大丈夫?」
「ッ…、大丈夫だよ~、最近乾燥しててさ…」
コンちゃんに右手をとられたらだおくんは、一瞬だけど、焦ったように見えた。
「…」
そのまま俺が左手もとると、らだおくんはいきなり立ち上がる。
顔は笑顔だけど、真っ青な瞳がゆらゆらと揺れていた。
「あれ?らっだぁ怪我してる?包帯が…」
「ホドケカケテル…。マキナオソウ」
「大丈夫だよみどり、離して」
「ダイジョバナイ」
俺が無理やりらだおくんの左手をとって、手首をめくると、ボロボロになった包帯がまかれていた。
黙ってしまったらだおくんの顔を見ずに、包帯をめくると、無数の切り傷があった。
レウさんが、後ろの方で息をのむ音が聞こえた。
「それって…」
「…ん、猫に引っかかれた」
「お前猫アレルギーやろ」
「近所に野良猫がいるんだよ」
「…嘘、ヤメテ」
「…なんで嘘って思うの」
まくしたてるように会話する俺らとらだおくん。
右手は、膨らんだ羽織のポケットに突っ込まれていた。
「これ、見タ感じ一週間前からヤッテルデショ。最新ノハ今日…。瘡蓋にナリキッテないやつもあるから」
「一週間前から今日までずっと猫に引っかかれてたの?」
そう言うと、らだおくんは黙りきってしまった。
___
やっちゃったな…。
本人には自覚はないんだろうけど、泣きそうな顔になっているみどりを見つめながらそう考える。
冷えていく右手が、今の状況を示唆していた。
今日運営がくるなんてしらなかった。突撃かな?じゃあ前からバレてたんだ…。
悲しそうな顔をしてるレウさん。
怒っているのか、眉をよせているきょーさん。
真顔のコンちゃん。
泣きそうなみどり。
あー、もうだめだ。日常も、我々だも、ワイテも、運営も。
本当は、配信で首吊ろうと思ってたんだけどな…。
一応持っといてよかった。
「…んで、こんなことッ」
「近づかないで」
右手でずっと握っていた包丁を、俺は前に出した。
皆、驚いた顔をして、一歩下がる。
「あ…ごめん、怖いよね。大丈夫、殺そうとしてるわけじゃないよ」
「らだおくん…ドウイウツモリ…?」
「らっだぁ、あぶないからそんなものはなそ?」
「なにするつもりや…?」
「らっだぁ…」
いろいろな反応をみせる運営が、なんだかおもしろくって、わらってしまう。
ぽ前らは今、どんな反応をしてるのかな?
『やめて』
『はやまるな』
『お願い』
知らない間にスマホを出していたきょーさんが、俺にスマホを突き付ける。
「お前…、配信しとんのか?」
「うん。運営が来なかったら首吊りにするつもりだったのに…」
縄作るの、大変だったんだけどな…、おかげで手がボロボロだし。
コンちゃんは危ないな…。多分一瞬でも隙を見せたら止めてきそう。
みどりは…放心状態か。…ごめんね。
きょーさんも、危ないけど、多分止められない。
レウさんは止められない。
君らは、俺が死んだらどんな感情を抱くのかな。
コンちゃんの目を見て、包丁をくるりと自分の方に向ける。
「らっだぁ!!!」
コンちゃんは、目が合った俺に気を取られて、反応が遅れたようだった。
「ありがとね~」
そう言って、自分の首に包丁を刺す。
どちらかというと衝撃に近い痛みが、首元を襲う。
視界は、こっちを見るみんなと、ぽ前らの文字。
あと、自分の体液で、彩られていた。
___
「らだお…くん…?」
マフラーを貫通して、らだおくんの白い肌に突き刺さる包丁。
真っ赤な液体が首元からあふれ出して、俺の帽子をすこしだけ染めた。
ゆっくりと前に倒れていくらだおくんの体にとびかかるコンちゃん。
俺はただ、血液を絶え間なく流すらだおくんを眺めることしかできなかった。
「もしもし!もしもし!急患です…!」
血気迫る様子で救急車を呼ぶレウさん。
「お願い…!らっだぁ…!」
少しだけ諦めがにじんだ表情で応急処置をするコンちゃん。
「らっだぁ…!らっだぁ…!」
珍しく泣きながら、らだおくんに呼びかけるきょーさん。
ぱたりと床に落ちたきょーさんの携帯からは、らだおくんの配信が、止まらずに流れていた。
とてつもない速さで更新されていくコメント欄を見ても、らだおくんを助けようとする運営を見ても、怖い位にキレイならだおくんをみても。
俺はなにもすることはできなかった。
___
さよならっだぁ…なーんちって…www
はい、ここまで読んでくださりありがとざいます。
めっちゃ楽しくて手が止まりませんでした。
一応、一話でも片手しか使ってなかったり、
二話では携帯を開いて配信をしてたり、左手を隠してたり、縄を作って手がボロボロになってたり、右側のポケットに包丁が入っててひんやり&ふくらんでたりします。
結構衝動で書いたので変な点あったら直したい…。
みどりくんは自分的にらっだぁが大好きで、なにかあったらすぐに気づいてそうです。なにもできないけど。
作者は欲張りなので壁どころからっだぁが握ってた包丁に転生したいと書きながら5回ぐらい思いました。