『刻の碧律 ――フラクタル戦争編』あらすじ
それは、一行のコードから始まった。
《DROP = DEATH_SPIKE(“ALL_COORD”)》
アメリカ大統領の側近が発動した、超火力フラクタル「死の杭(しのくい)」。
世界各地に杭のような蒼い光が突き刺さり、文明は一夜にして沈黙した。
武器は機能を止め、命令に従うはずの兵士は消え――
代わりに現れたのは、かつて人間だった者たち。
世界の三割が碧族となり、その一部が“アメリカ兵”として戦場に立つ。
人知を超えた力により、世界はねじれた秩序へと陥る。
ナヴィスは静かに中国の支配下へと潜入し、
ゼインは呼び出され、ヴェール・バインドのトップと交渉する。
それぞれが選び、それぞれが失い、それでも前へと進む。
フラクタルは、ただの力ではない。命の痕跡であり、選択の記録。
――そして、すべてを終わらせる唯一の方法は、
「死の杭」を撃った者――アメリカの側近を倒すこと。
それが、“碧”という名の未来を、まだ信じる者たちの戦い。