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摩浪side
夏休みも中盤に差し掛かってきた。前回のミーティング通り、練習メニューも少しハードになる。そのせいか体育館内はピリピリしていて、話し声も聞こえない。全員が真剣にやってる証拠なのは分かるけど、息が詰まる様な感覚がある。
摩浪『ふぅ』
休憩時間になりスクイズ片手に外に出る。日差しが強くて、暑いし眩しいけど中にいるよりは、涼しいし開放感ある。
摩浪『あー、涼しい』
赤木「お疲れさん」
摩浪『お疲れ様です』
赤木「色々疲れたやろ?」
摩浪『あーはは。まぁ、おちゃらけてたり暗い雰囲気よりはマシですよ』
赤木「それもそやな(笑」
俺の隣りに座って話しかけてきた。よく俺の話を聞いてくれるし、泣いた時はぎゅってしてくれる。
赤木「今日も余裕やな」
摩浪『俺がですか?』
赤木「練習が前よりハードになったやろ?この時期になると大抵の奴は、スタミナ限界になるし喋る余裕も無くなるから。やっぱ摩浪は凄いな」
俺の頭を優しく撫でて笑いかけてくれた。今までこういうこと無かったから、ちょっと照れくさい。
摩浪『赤木さんって、顔も性格もイケメンだって言われたことありません?』
赤木「何やねん急に(笑。無いで」
摩浪『マジかー。こんなにかっこいいのに』
赤木「ド直球ストレート。そんな風に褒められたことないから嬉しいな」
摩浪『じじーつでーす。そろそろ戻りましょ』
赤木「おん」
立ち上がってズボンに付いたホコリをはらう。深呼吸をし、体育館に入る。他のメンバーも練習を再開しようとそれぞれの位置に立っていた。
侑「次、紅白戦やって」
摩浪『俺、紅ですね』
侑「なぁ摩浪ー。お願いあるんやけど」
摩浪『何ですか?』
侑「ギューして」
摩浪『え、いま?』
侑「今が嫌なら後で」
急なお願いにちょっと驚いた。
摩浪『俺は構いませんけど、どうしたんですか?突然ギューしたいなんて』
治「今朝、角名に抱きついとったやろ?あれをやって欲しいんやって」
摩浪『まぁ良いですけど』
侑「マジで!よっしゃ!」
治「摩浪、俺もな」
摩浪『はい』
角名「摩浪、俺もね。もっかいやって欲しい」
侑「角名は1回やっとるんやから!もうええやろ!」
何か喧嘩始まりそう。
摩浪『喧嘩したらやりませんからね』
侑「それは嫌や!」
摩浪『はーい』
会話を終え紅白戦の準備。
紅 摩浪、小作、銀島、理石、猫目、その他
白 侑、治、尾白、北、赤木、大耳、赤木
摩浪『あは、俺が入部した時の編成だ』
銀島「また一緒やな。嬉しいわ」
摩浪『俺もです』
銀島「摩浪、夜でええから俺にもハグしてくれんか?」
摩浪『いいですよ』
紅白戦スタート
サーブは俺から。宙高く舞うボールを渾身の力で叩きつける。ボールはまっすぐ相手コートへ。
赤木さんがレシーブしたけどすぐにコート外に。
摩浪『よし』
銀島「ナイス!」
摩浪『あざっす』
銀さんとハイタッチ。やっぱこの瞬間も好き。
(飛ばします。すみませんm(*_ _)m)
試合結果 23VS20 紅チーム勝利
摩浪『よっしゃ』
理石「お疲れー」
摩浪『ん、お疲れ』
理石「サーブ上手いこといかんわ」
平介が落ち込んでる。
理石『何があかんのかな?』
摩浪『まずメンタル。緊張するのはわからんことも無いけど、サーブだけに意識集中させる』
理石「( ˙-˙ ; )…うっ」
摩浪『次にフォーム。体の中心の軸が曲がってるから真っ直ぐさせることを常に体に叩き込む』
理石「はい……」
摩浪『最後に、上手くいく・いかないは結果の話。今を大切にして』
理石「はい」
摩浪『練習、付き合うよ』
理石「まじ!」
摩浪『まじ』
平介のテンションが戻った?いやちょっと上がったかな。俺は理石のサーブがこれからも強い武器になると思ってるから、それを近くで見ていたい。
猫目「摩浪、俺もトス練付き合うて」
摩浪『順番なー』
1年だけで集まって自主練することになった。正直めっちゃ楽しみだし、成長出来そう。
摩浪『平介、もっかいサーブ打って』
理石「おん」
平介のサーブを見る。威力はあるけどやっぱり、フォームが不安定だね。
摩浪『うん、やっぱフォーム』
理石「はい」
摩浪『まず背中伸ばして姿勢を正すこと』
理石「やってみるわ」
猫目「こっちもええか?」
摩浪『俺が打つから上げてみ』
敦牙のトスを打ってみる。さっきの紅白戦だけじゃなくて、前やった3対3でも何回か打ってるけど、打ちやすいことに変わりは無い。
猫目「どやった?」
摩浪『打ちやすいよ。敦牙は何か不安あるの?』
猫目「侑くんと同じポジションやから、劣らんようにと思て。もう少し精度上げたくてな」
摩浪『それ本人に言ったら?』
猫目「無理」
摩浪『即答(笑』
猫目「何かアドバイスある?」
摩浪『(*‘へ’*) ンー。やっぱ直上トスかな』
猫目「あーな」
摩浪『普通にやってもあれだし回転と目つぶり加えてやってみたら?』
猫目「え?」
摩浪『やってみよっか』
ボールを手に取り直上トスを始める。まずは回転つき。トスを上げたく直上前に180°回転、そしてまたトスを上げる。
摩浪『これと』
次に目つぶり。こっちもトスを上げた直後に目をつぶりもう一度トスを上げる。
摩浪『これな』
猫目「難易度高いって、」
摩浪『まぁ最初は慣れないけどやっていくと、上手くなるよ。とにかくおでこの上でトスを上げる。これを意識してみて』
猫目「分かった。また後で打ってみてくれへん?」
摩浪『ん、いいよ』
他の1年との練習もやりつつ自分の練習も進める。