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「ハアッ、ハアッ、、、、、、!!」
なんでこんなことになってしまったのだろう。私は何もしていないのに。なのに、、、、、、どうしてっ!!
「もう逃げられんぞ、劣等生が」
背後から声が聞こえた。リゼリアの下がろうとしていた足が止まる。
どうして。どうしてこんなことにーー
息がきれる。逃げ場はない。
信じていたのに、あの子の事を誰よりも。信じていたというのに、、、、、、、
「無駄な事をするな、余計に面倒だろうリゼリア。いや、、、、、、、『抜け殻』」
その鋭い言葉に、胸の奥がひどく痛んだ。
(、、、、、、ああ、そう)
「貴様との婚約を、破棄させともらう!」
そう言われた瞬間、フッと力が抜けて何もかもが崩れ落ちる音がした。
それを追い打ちするように殿下はこう言った。
「俺はここにいるミレイユ・フォン・ルクシアとの婚約を宣言する!!」
「や〜ん、レオナルド様ったら親友の前で恥ずかしいですわ♡」
終わったのだ、全てが。私の令嬢生活も、青春も、そして私の家も。
耳の奥で耳鳴りがしてきた。もう何も聞きたくない、見たくない、事実を突きつけないでほしい。
その一心で二人に私はこう言った。
「殿下の御心のままに、了承いたします。今まで誠にありがとうございました。」
すると周りは大きな笑い声で包まれた。下品に笑う男と、扇子を口に当ててクスクスとしている令嬢たち。
その中には私の両親もいた。彼らは怒りの目を私に向けていた。私は全てから拒絶されたのだ。
私は静かに踵(きびす)を返した。ここにいても仕方のない事だからだ。
(ああ、帰ったらお仕置き部屋に入れられてしまうのでしょう、、、、、、)
私は小さい頃からそういう扱いを受けてきたから、大体想像がつく。
今回はよくて毒蛇の牢、悪くて水責めだろう。
馬車を呼んで、ひと足先に家へと戻った。
「おかえりなさませ、リゼリアお嬢様!!」
この元気印の女の子は私の専属メイドであり学友のアイリス・ナインミールである。
私をいつもそばで見てくれる、大事な友達だ。
「ただいまアイリス。申し訳ないのだけれど、私はもう寝るわ。今日は一段と疲れているの。」
「かしこまりました!お部屋はもう掃除してあるので、今日はゆっくりとお休みくださいね!」
「ええ、ありがとう。また明日ね、アイリス。」
「はい、また明日!」
そう言って私は自分の寝室へ直行し、寝巻に着替えて布団に潜った。
(湯浴みはまた明日にしましょう。一刻も早く眠りたいわ、、、、、、)
少しずつ出てきた睡魔に負け、リゼリアは目を閉じる。
明日はきっといい事があると、そう信じて。