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刻の碧律

51 - 第38話「影を纏う者」

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2025年03月20日

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第38話「影を纏う者」



🚀 シーン1:夜明けの静寂


ゼインは、夜明けの光が差し込む戦場に立っていた。

さっきまで交戦していた敵、カイゼルは影の中へと消え去った。


「……消えやがった」


ゼインは軽く息を吐き、握りしめた拳をゆっくりと開いた。

《オーバーライド》によるコード改変で、一瞬の隙を作ることはできた。

しかし、完全に仕留めるには至らなかった。


「奴、ただの碧族じゃねぇな」


ナヴィスが、碧い瞳を細めながら言う。

黒髪をかき上げ、少し険しい表情を浮かべていた。


「ヴェール・バインドが碧族を抱えてるなんてな……まさか、これが“裏切り者”ってやつか?」


ゼインは答えず、静かに地面を蹴る。


「……考えてる時間はねぇ。追うぞ」


「……ったく、お前はタフだな」


ナヴィスは苦笑しながら、ゼインに並ぶ。


ふたりは、カイゼルの消えた方向へと走り出した——





🚀 シーン2:影の中の奇襲


ザッ……!


ゼインとナヴィスが瓦礫の間を駆け抜ける。


——その瞬間。


『EXECUTE (SHADOW_REND)』


突如として、ゼインの真横から漆黒の刃が襲い掛かる!


「くっ……!」


ゼインはギリギリで回避し、ナヴィスがすぐさまフラクタルを展開した。


『EXECUTE (REVERSE_BARRIER)』


碧色の光が瞬時に展開され、影の刃を弾き返す!


「チッ……こっちが追ってたつもりが、逆に待ち伏せられてたか?」


ナヴィスが舌打ちする。


「なかなか鋭いな。さすが碧族の戦士」


黒い影の中から、カイゼルがゆっくりと姿を現した。

赤黒いフラクタルの光が、彼の腕を包み込んでいる。


ゼインは銃型フラクタルを構え、ナヴィスとともに警戒態勢を取った。


「……お前、ヴェール・バインドで何をしてる?」


ゼインが問いかける。


カイゼルは口元を歪めるように笑い、淡々と言い放つ。


「俺は“力”のある側につくだけだ。……お前も理解しているはずだ」


「……そんなもの、戦う理由にはならねぇな」


ゼインは冷たく言い放つと、次の瞬間、一気に間合いを詰めた!





🚀 シーン3:極限の攻防


『EXECUTE (IMPACT_STRIKE +85)』


ゼインの拳が、碧白い閃光をまといながら、カイゼルへと向かう!


カイゼルはそれを見切ったかのように、素早く身を翻す。


『EXECUTE (SHADOW_PHASE)』


彼の身体が黒い影と化し、ゼインの攻撃をすり抜けた!


「チッ……!」


ゼインが振り向くと、カイゼルはすでに背後へと移動していた。


「遅いな」


カイゼルの蹴りがゼインの腹部にめり込む!


ドガァッ!


ゼインの体が吹き飛ばされ、ナヴィスがすかさず援護に入る。

『EXECUTE (FOULT_SHIFT)』


ナヴィスの姿がブレ、一瞬でカイゼルの目の前へと出現!


「よぉ、今度はこっちの番だ」


ナヴィスの拳が、碧い衝撃波とともにカイゼルへと振り下ろされる——


『EXECUTE (DARK_COUNTER)』


しかし、カイゼルはすかさずカウンターを仕掛ける!


黒い影の拳と、ナヴィスの碧い拳がぶつかり合い、爆風が戦場を駆け抜けた!


ゴオォォォッ!!





🚀 シーン4:勝負の決着


ナヴィスはバックステップで距離を取る。


「……こいつ、なかなかしぶといな」


ゼインも立ち上がり、改めてカイゼルを睨んだ。


「そろそろ、こいつの影の能力を潰さねぇと勝てねぇ」


ゼインは、内ポケットから小さなライフカードを取り出した。


「……仕方ねぇ。これを使うか」


ゼインがライフカードを握ると、碧色のエネルギーが急激に収束し始めた!


カイゼルは一瞬だけ目を細める。


「ほう……?」


ゼインは深く息を吸い込み、銃型のフラクタルをカイゼルに向けた。


『EXECUTE (OVERRIDE: SHADOW_BIND)』


カイゼルの身体に黒い影の鎖が巻きつく。


「なっ……!? 俺の技が……!」


ゼインは鋭く笑う。


「お前の影を利用させてもらった」


ナヴィスがすかさず追撃に入る。


「悪いな、そろそろ決めさせてもらうぜ」


『EXECUTE (FORCE_BREAK)』


碧い光がナヴィスの拳に集まり、一気にカイゼルの胸部へと叩き込まれる!


ドガァァァッ!!


カイゼルの体が地面に叩きつけられ、影の力が霧散していった——





🚀 シーン5:戦いの果て


カイゼルは荒い息をつきながら、うっすらと笑った。


「……ふ、はは……なるほどな」


ゼインは銃を構えたまま、カイゼルを見下ろす。


「終わりだ。降伏しろ」


しかし、カイゼルは薄く笑うと、影の中に身を沈めた。


「この勝負、次はもう少し楽しませてもらうぞ」


そう言い残し、カイゼルは再び姿を消した。


「クソッ……また逃げやがったか」


ゼインは舌打ちし、ナヴィスは肩をすくめる。


「まぁ、次はもう逃がさねぇさ」


夜明けの光が、戦いの傷跡を照らしていた

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