一方、そんなミリカをつけてきたものがいた。
「…ボス、やばいですぜあいつ、扉を破壊しました」
「はあ?あのクソ硬な扉を?そんなわけねーよ」
「本当なんです!見に来てください」
「…はあ!?なんだよこれ!ドロドロに溶けてるじゃんか!?」
「…おいあいつの後をつけるぞ」
「はい!」
「ゴブリン出てこーい!」
ミリカはゴブリンに出会えず洞窟の中を彷徨っていた。
「あ、いた」
洞窟の中心部あたりに来た頃、やっとゴブリンが2体出てきた。
「あれ?ゴブリンにしては少し大きいような…まあ、いっか!」
「グォー!」
ゴブリンは大剣を振るうとミリカに向かってきた。
「おっと、危ない」
ミリカは華麗に大剣を避けた。
「でも遅いな」
スキル発動暴風雨Lv1
ゴゴゴゴ…となる小さな嵐がミリカの指先に止まった。
「これ、投げたらどうなると思う?」
「やってみようか!」
ミリカがそれを投げた瞬間、小さかった嵐が大きくなり、辺り一面を嵐で包んだ。
「うーん、まだLv1だからなぁ、さすがに死には…あれ?」
ゴブリンは地面に倒れ、動かなくなっていた。
「あれ?やりすぎた?でも、Lv1だし、大丈夫だと思ったんだけどな…」
「ボス!見ました?あ、あいつ、ハイゴブリンを一撃で… 」
「う、うるせぇ!知ってるわ!」
ハイゴブリン、それはBランク冒険者でやっと倒せるくらいの強さだ。それを2体も…
「あいつは、何者なんだ?」
「こうして…よし!取れた!」
ゴブリンの血液瓶をとったミリカは、そのまま帰ろうとしていた。だが、
「なにかいるな」
「おーい出てこーい」
影から出てきたのは王冠をかぶったゴブリンとオークだった。