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ねこクラ
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『BLACKLIST』
第一話「新人、しまです!」
「……ここが、ブラックリスト。」
大きな洋館を見上げ、私は息を呑んだ。
この街で最強と呼ばれるマフィア。
“ブラックリスト”
その本部だった。
緊張で手が震える。
「新人さん?」
後ろから優しい声がした。
振り向くと、白い髪の小柄な人が立っていた。
「僕は暁律。よろしくね。」
可愛い。
それが第一印象だった。
「よろしくお願いします!」
「そんなに緊張しなくても大丈夫。」
律さんは柔らかく笑う。
その笑顔を見て、少し安心した。
――その時だった。
パンッ。
乾いた銃声。
目の前を一発の弾丸が通り過ぎる。
「ひっ……!」
反射的にしゃがみ込む。
壁を見ると、飛んでいたハエだけが正確に撃ち抜かれていた。
「ごめん。」
律さんは何事もなかったように拳銃をしまう。
「飛んでたから。」
「ハエのために撃つんですか!?」
「気になっちゃって。」
その笑顔は変わらない。
でも私は理解した。
この人は、本物だ。
⸻
「新人だね。」
低く落ち着いた声が響く。
廊下の奥から、一人の女性が歩いてくる。
黒いスーツ。
赤い瞳。
堂々とした立ち姿。
花白麗華。
ブラックリストのボス。
「よろしくね、しまちゃん。」
「よ、よろしくお願いします!」
「そんなに固くならなくていいよ。」
穏やかな笑顔。
だけど。
廊下ですれ違う部下たちは全員、自然と道を開ける。
誰一人命令されていない。
それでも頭を下げる。
尊敬だけで人を従わせている。
そんな人だった。
⸻
「やぁ。」
次に現れたのは、水色の髪の青年。
「白鳥羅美。」
優しい笑顔。
「よろしくね。」
握手をしようとした瞬間。
シュッ。
銀色の光が横切る。
私の髪を掠めて、小さなナイフが床へ落ちた。
窓の外。
狙撃手がいた。
「危ない。」
羅美さんは一歩も動いていない。
刀を納める音だけが遅れて響く。
狙撃手のライフルが、真っ二つになっていた。
「……え。」
何が起きたの?
誰も説明してくれない。
羅美さんはいつもの笑顔で言う。
「新人の前で失敗すると恥ずかしいね。」
窓の外では、狙撃手が逃げていった。
⸻
その日の夕方。
警報が鳴る。
「敵襲。」
部屋の空気が変わる。
さっきまで笑っていた三人の表情が、一瞬で消えた。
私は息を呑む。
これが……
Sランク。
「しまちゃん。」
麗華さんが前を向いたまま言う。
「後ろにいて。」
その一言だけで、不思議と怖くなくなった。
大勢の武装集団が突入してくる。
銃口が一斉に向く。
その瞬間。
パンッ。
律さんの一発。
敵全員の銃だけが床へ落ちる。
誰一人、手は傷ついていない。
続いて。
羅美さんが刀を抜く。
風が吹いた。
それだけだった。
次の瞬間には敵全員のネクタイだけが切り落とされていた。
誰も、自分が斬られたことに気付いていない。
最後に麗華さんが前へ出る。
「帰る?」
その一言。
敵は誰も動けない。
ただ一人、震えながら武器を落とした。
「……ば、化け物。」
麗華さんは小さく笑う。
「違うよ。」
静かな声。
「私たちは、仲間を守るマフィアだよ。」
その背中を見た瞬間。
私は思った。
――いつか、この人たちみたいになりたい。
コメント
1件
第2話、読みました!ブラックリストのメンバー、一人ひとりのキャラが立っててすごくいいですね。暁律さんの「飛んでたから」のノリと、その実力のギャップに一気に引き込まれました。麗華さんの「帰る?」の一言で敵が崩れるシーンは、威圧感じゃなくて静かな強さが伝わってきてぞくっとしました。しまちゃんが「いつかみたい」と憧れる気持ち、すごくわかります。この世界観、続きが気になります!