テラーノベル
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第9話 「言葉にしたら、もう戻れない」
閉店後の《Nocturne》。
照明は落ちていて、カウンターの上だけが淡く光っている。
店の中は静かで、 音と呼べるものは呼吸くらいしかなかった。
prとtgは、向かい合っていた。
「ちゃんと話すんだろ」
prが先に言う。
tgは少し遅れてうなずく。
「うん」
その声はいつもより重い。
沈黙。
どっちも逃げない。
でも、最初の一言が出ない。
「俺さ」
先に切ったのはtgだった。
prの目が上がる。
「prちゃんといるとさ」
少しだけ笑う。
でも、その笑顔はどこか固い。
「安心する時と、苦しい時がある」
prの指が止まる。
「安心はほんとに安心なんだよ」
「でもさ」
tgは視線を落とす。
「近い時、わかんなくなる」
prが低く言う。
「何が」
tgは少しだけ迷ってから言う。
「俺がどう思われてるか」
空気が変わる。
prの眉が動く。
「……は?」
tgは続ける。
「prちゃん、優しいじゃん」
「誰にでも」
その言葉は悪気じゃない。
でも、一番刺さるやつだった。
prの声が少し低くなる。
「それが何」
tgは一瞬黙る。
そして言う。
「俺だけじゃないのかなって思う」
沈黙。
prの中で、何かが一回止まる。
「……お前さ」
prが言う。
「それ本気で言ってんのか」
tgは少し驚いた顔をする。
「だって」
「prちゃんってそういう人じゃん」
その瞬間。
prの目が変わる。
「違ぇよ」
低い声。
でもはっきりしている。
「俺は誰にでもこうじゃねぇ」
tgが固まる。
prは続ける。
「お前だからだろ」
その一言で、tgの呼吸が止まる。
沈黙。
全部が一回崩れる。
tgは小さく笑う。
でも、その笑いは苦い。
「……じゃあさ」
「なんでちゃんと言わないの」
prの喉が動く。
tgは続ける。
「俺、不安になるよ」
「近いのに、遠い時あるし」
「触れるのに、逃げる時あるし」
prは何も言えない。
tgは一歩だけ近づく。
「好きって言ったのにさ」
「それだけじゃ足りない時あるよ」
その言葉で、prの中で何かが切れる。
「足りねぇって何だよ」
声が強くなる。
「俺はちゃんと」
「お前のこと――」
言いかけて止まる。
言葉が出ない。
tgは静かに言う。
「ちゃんとって何?」
沈黙。
prは初めて気づく。
“好き”は言った。
でも、その先をまだ誰も知らない。
prは視線を落とす。
「……わかんねぇよ」
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その声は、さっきよりずっと弱い。
tgは少しだけ目を伏せる。
「俺も」
静かに言う。
「でもさ」
顔を上げる。
「わかんないままでも、離れたくない」
その一言で、空気が揺れる。
prは息を止める。
「……それは」
tgは少しだけ笑う。
「わがまま?」
prは何も言えない。
その沈黙が、答えだった。
続く
コメント
2件
キャーーーー(≧∇≦)今回も最高じゃん! でも、どんどん....
うわああああ第9話読み終わったよおおお😭💦💦💦 tgの「ちゃんと言わないの」が刺さりすぎて胸がギュッてなった…!prの「お前だからだろ」で一気に空気変わったのに、その先が言えなくて「わかんねぇよ」って弱るprちゃんが切なすぎる…。でもtgの「わかんないままでも離れたくない」で全部救われた気がしたよ…!この距離感、エモすぎて泣く😭💕