自分が憎かったあの日。まとわりつくようなじめじめとした暑さが気色が悪く感じたあの日。
あなた…こころは、私を救ってくれた。
気がつけば屋上で靴を脱ぎかけていて。
暑さで汗が首筋を伝う。
なんだか全てがどうでもよく思えた。
三つ編みのリボンを取ろうとした時、背後から足音がした。
「何してるの?」
沈丁花の香りのような優しい声。
私の親友のこころだった。
まさかこころが来るなんて。でも、私にはもう関係ない。沈丁花
私なんて、生きているだけで迷惑をかける存在だからだ。
「いいでしょ、もう。私、十分頑張ったから」
誰も、私を助けてはくれない。
死ぬことしかもう私には残っていないのだ。
「でも」
振り向くと、こころは目元を歪めてこちらに手を伸ばしていた。
「もう無理しないで。僕が全部一緒に抱えるから」
ばさっと、急に抱きつかれる。
なんで私にそこまでするのかと、動揺が私を襲う。
「死なないで」
こころは私を大切に思ってくれているの?でも、なんで…?
私は今日も失言をしてしまったし、何をしても取り繕うばかりなのに。
「あ、な、んで…!」
それなのに。
なんで私の視界は、こんなに滲んでいるのだろう?
「少しでも楽になるまで、ずっとこうしてるから」
その一言だけなのに、なぜかとても嬉しくて。
「私だって、普通になりた、いのに…!どんなに頑張ってもな、れなくて…!」
今まで言えなかった言葉が、どんどん口から溢れていく。
「謝るこ、ともできなくて…!私、ひどい、人だから…!」
「つらかったよね」
こころの言葉が胸に広がっていった。
あれから数日経った、下校時にて。
「…ねえ、なんで私なんかのこと助けてくれたの?」
「さあ」






