注意事項
・この作品はwrwrd様の二次創作です
・軍パロ
・Not腐
・捏造
・本人様とは関係×
リクエスト作品です。
長いです。10000字以上あります。
日跨いで書いたんでおかしいとこあります。
なんでも許せる方だけお進みください
______________
「………」
「……kn、起きてや」
目の前にはベッドに横たわって、頭や足、腕などに包帯が巻かれているkn。
一ヶ月前、なんの予告もなく敵襲が来た。
こちらは何も用意をしていなかったので、出れる奴は全員出て戦うと言う形になった。
utは基本、監視室におり、敵非戦闘員と言われる類にいる。
幹部なのである程度の戦力にはなるが、いつも前線に出ているzmやshoに比べると差は一目瞭然だ。
戦いの終盤、やっと終わると言うとき
どこから侵入したのか、敵が監視室に爆弾持って入ってきた。
utはすぐに反応出来なかった。
(あ、しぬ
そう思った瞬間、目の前に見慣れた金髪頭が映った。
utの前に出てきたのはknだった。
utを庇ったのだ。
それによりknは間近で爆撃を受けたので大怪我を負った。
体は火傷、足と腕は骨折、顔は少し皮が剥げていた。
想像するだけでも痛々しいのに、 それを現実でだ。どれほど痛いのかなんて、当の本人にしかわからない。
「……knぁ…」
返事はない。
呼吸器の規則的な音だけが静かな部屋に響く。
「なんで……なんで庇ったんよ…」
震える声で呟く。
「俺なんか守って、なんの得があるんや…アホやろぉ…」
言いながら、握っていたタオルの端が湿っていることに気付いた。
いつから泣いていたのか、自分でももうわからない。
「お前が倒れてから、 みんな、…俺を見る目が変わったんよ」
あの日から、廊下で聞こえていた暴言は、消えた。
代わりに、重たい沈黙と、遠ざかる足音だけが残った。
“あいつのせいでknが___”
そう言われている気がして、息が詰まった。
「 俺があの時もっとちゃんとしてたら… こんなことにはッ…」
肩が震える。
感情が喉に張り付いて、息が苦しい。
「…俺な、 あれからずっと夢みるんよ」
爆光。
飛び散る血。
崩れ落ちる金髪。
“助けて”
最期に一瞬見えたあの口の動き。
本当は、あれは自分の幻覚だったんじゃないかとずっと疑っていた。
「お前……俺のこと、信じてくれとったんやろか」
胸がズキズキと痛くなる。
ベッドに片膝をついて、包帯だらけの手をそっと握る。
冷たい。
けれど、確かに生きている。
「俺なぁ……」
そこまで言って、言葉が続かなかった。
喉奥が焼けるみたいに熱く、瞼が勝手に震える。
そのとき、 微かに
knの指が、ぴくり、と動いた。
「っkn!?起きとるんか、…!?」
あり得ない。
まだ目は閉じたままなのに。
でも確かに、握った手が弱く握り返してきた。
「kn……なぁ……!」
涙がぽたぽたと落ちる。
病室のドアがわずかに軋んだ。
utが振り返ると、 そこにはzmが立っていた。
影が落ちた顔。
視線は真っ直ぐこちらを向いている。
そして冷たい。
(……ぁ…
一瞬で悟った。
殺気が、空気ごと肌に突き刺さる。
言葉を発していないのに、”許さない”と全身から伝わってくる圧。
zmは無言のまま、ゆっくり病室に入った。
足音は静かなのに、 床がきしむように錯覚するほど重かった。
utは反射的に、後ろに一歩下がる。
その動作に zmの目がぴくり、と揺れた。
「あ……」
低く、喉奥から漏れた声。
怒りと憎しみで焼けたみたいな音。
「……お前はまた傷付けるんか」
その一言で、さぁっ、と血の気が引く。
「zm……ちゃうんや、俺は……」
「喋んな」
ビキ、と空気が割れた感覚がした。
声を張り上げたわけじゃない。
なのに部屋全体が震えるほどの圧。
utはその場で固まり、息すら詰まる。
zmは近づいてくる。
歩幅はゆっくりなのに、 逃げ場が消えるように距離が詰まる。
そして、utのすぐ前で立ち止まった。
目が合った瞬間。
「……お前のせいやろ」
心臓が止まりそうになった。
「knはこんなになっとるのに… なんでお前は無傷なんや」
「無傷って、……そんな……」
「ちゃうんか?」
一歩、また一歩と近付いて来る。
utも一歩、一歩と後ろに下がると、壁に背が当たる。
逃げられない。
「お前、ずっと監視室にいたやろ。 危険が来るのも、一番先に気づけた立場のはずや」
静かな声。
でもその下に煮えたぎる怒りが見える。
「なのに……なんで、!!」
俺も必死だった。
そう言い返したいのに、喉が動かない。
代わりに ぽたり、と床に落ちた音だけが響いた。
気づいたら泣いてた。
そんなutを見ても、zmの表情は一切変わらない。
ただ淡々と、冷たく言葉を続ける。
「俺は、見たんや」
「……」
「お前、爆撃の瞬間…… 立ち尽くしとった」
思い出したくもない光景が、 頭の中で鮮明に蘇る。
zmはゆっくりと顔を近づけてきた。
「お前が少しでも動いとったら結果は違った」
「っ……」
「お前が 何もせんかったから…。全部、”お前のせい”や」
その声は刺すナイフみたいに冷たかった。
「お前のせいで、 knがこんなんなったんや」
utの肩が震える。
「……俺、ほんまにっ……」
言い訳も弁明も、何ひとつ言えない。
zmは動かないknのほうへ視線を向ける。
ベッドの上で変わらず眠るkn。
声も出さず、微動だにしない。
その姿に、zmの指先がかすかに震えた。
ほんの一瞬、 胸の奥に刺さった傷を抉るような痛みが 瞳に浮かんだ。
そして、またutへ鋭く向けられる。
「……なぁ、ut」
「……」
「なんで生きとんねん。 なんでknが倒れとるんや」
問いではない。
ただの怒り。
ただの憎しみ。
zmのその言葉が、 胸のど真ん中に突き刺さったまま抜けない。
“なんで生きとんねん。 なんでknが倒れとるんや”
その言葉が、頭の中で何度も何度も響く。
喉が乾く。
足に力が入らない。
視界が滲んで、息の仕方もわからなくなる。
(ぁ……だめや、これ……
耳鳴りが大きくなり、 zmの姿も、声も遠くなる。
全身が叫び声を上げているみたいに痛く、 ここにいたら壊れてしまうと本能が感じている。
体が、勝手に逃げようとする。
「……ごめ、な……」
かすれる声で、その言葉だけが漏れた。
zmの目が動く。
その目が怖かった。
責められるのではなく、 怒られるのではなく
“落胆”や”軽蔑”、”失望”の目だった。
耐えられない。
「……ッ、!…」
気づけばutは扉の方へ走っていた。
zmの手が伸びた気配がしたが、 それでも止まらなかった。
逃げるみたいに、
追われるみたいに、
ただ廊下を走った。
呼吸が乱れて、
胸が痛くて、
涙で前が見えない。
(俺が、全部悪いんやっ……
心の奥で、壊れた歯車みたいに同じ言葉が回り続ける。
「、ぁ……ッ……」
声にならん声を噛み殺して、
自分の部屋のドアを乱暴に開けた。
中に入り、 背中で扉を閉める。
カチャン
鍵をかける音が、やけに大きく響いた。
その瞬間、 膝から力が抜けて、そのまま床に座り込む。
「……なんで……俺、生きとんねやろ……」
部屋の薄暗さが、
痛いほど静かで
自分の呼吸だけが響く。
knの苦しそうな姿。
zmの憎しみに満ちた目。
全部が重くて、 全部が痛くて。
逃げてきたのに、 逃げた先で、心が潰れそうになる。
両手で顔を覆い、 声を殺して、 小さく震えた。
「……ごめん……ごめ……ん……」
誰に謝ってるのかもわからないまま、 ただ泣いた。
✱
utが部屋を飛び出した瞬間、 伸ばしかけた指先が空気を掴んだ。
触れられなかった。
追いかけることはできた。
走ればすぐ掴めた。
腕を引き戻すこともできた。
でも、身体が動かなかった。
(……逃げた
胸の奥でぐつぐつと何かが煮え立つ。
怒りか、悲しみか、失望か、
それとも全部か。
自分でもわからない。
ただ、喉の奥がカラカラに乾いて、 肺が全部潰れたみたいに苦しかった。
視線をknに向ける。
包帯だらけの腕。
動かん足。
意識が戻る気配もない顔。
(……なんでや
手が震え、 爪が掌に食い込む。
「なんで……お前が…」
声が勝手に漏れた。
knは何も言わない。動かない。
呼吸器の機械音だけが虚しく鳴る。
でも、 あの日見た。
爆発する瞬間、 knがutを突き飛ばすみたいに前に出たのを。
「……なんでお前がぁッ、!…」
本来なら、その位置におるべきはutや。
監視の仕事やったutのほうが状況を先に掴めたはずや。
なのに倒れたのは、
守ったのは、
傷ついたのは
「kn、…お前やん……」
喉の奥が焼ける。
吐き気がするほどの怒りが込み上げてくる。
utの震えた顔が脳裏に浮かぶ。
怯えて、泣いて、逃げた。
……腹立つ。
死ぬほど腹立つ。
でもそれと同じくらい、 胸がずっと痛い。
(あいつは、生きとった。
そこに安堵してしまった自分が 殴りたいほど憎い。
knを差し置いて、生きて戻ってきた。
そんな事実を、認めたくなかった。
「……俺は間違っとるんか?」
問いかけても、返事はない。
黙ったままのknを見てるのが苦しくて、 zmは握る手に力を込めた。
ギリ……と金属が軋む。
(ut……どこ行ったんや
追いかけたい。
文句を言いたい。
責めたい。
謝らせたい。
でも追ったら、 きっとまた怒鳴ってまう。
怒鳴ったら、 今度こそ、utは戻って来ない気がした。
「……はぁ……っ」
短い息が漏れる。
胸が痛い。
頭も痛い。
knの寝顔を見ているのに、
守れなかった、その罪悪感が重くのしかかる。
そして、 utの涙の跡が頭から離れない。
(……なんで泣いとるんや
怒りとは別の感情が喉にひっかかる。
「……ほんま、わからんやつ…」
誰に向けた言葉か、自分でもわからん。
扉の方を見た。
閉じたままのその向こうに、
逃げたutがどこかで震えているかもしれない。
行かないといけない気もする。
でも足は一歩も動かない。
knの手のそばに座り込むと、 顔を両手で覆った。
「……守れんくてごめんな、kn」
小さな声が病室に落ちた。
怒っている相手も、
守れなかった相手も、
どっちも大事すぎて、
どうしたらいいのかわからなかった。
どれくらい時間が経ったのだろう。
knの手の少し近くに座り込んだまま、 動く気にもなれなかった。
呼吸器の規則的な音。
機械の低い振動。
それ以外は何もない。
(……お前、ほんまに強いな
こんな状態でも、まだ生きている。
まだ戦っている。
その事実が誇らしいはずなのに、 胸が苦しくて仕方なかった。
指先で、knの腕に巻かれた包帯にそっと触れる。
(あたたかい…
でも、返事はない。
「……お前、怒っとるやろな…」
返事がなくても、昔から一緒に戦ってきたからわかる。
(俺が……気づけへんかったんが悪い…
監視でもない。
判断を誤ったのは自分達全員の責任だ。
でも、 どうしても責めてしまうのは、 utが生きてるからや。
knの代わりに。
その考えがまた胸をえぐる。
「……っ」
額を手でおさえた。
痛みが広がるそのとき、
病室の扉が静かに開く音がした。
振り向かなくても、誰かわかる。
「……、sho」
「…正解 」
靴音がゆっくり近づいてくる。
shoの足音は軽いのに、医務室 の静けさに溶けて妙に重く響く。
「……zm、泣いとるん__?」
「泣いてへんわ」
少し食い気味で返す。
声が少し掠れてしまった。
shoはふぅ、と息を吐き、 knの顔を見つめた。
「……酷いな、これ」
「見ればわかるやろ」
「わかるけどさ。 お前が一番こたえてるんちゃうかって意味や」
zmは返事をしなかった。
するとshoは、ベッドの反対側に立ち、 腕を組んでこちらを見た。
「なぁ、utに……なんか言うてもうたん?」
「………」
図星を突かれ、声が出ない。
「図星かよ……。どんくらい?」
「…死んでても、…おかしくないくらい」
shoが目を細めた。
「お前なぁ……」
「…わかっとる、。 俺がどんだけ酷いこと言うたか……わかっとる」
shoは小さく息を吐き、
しばらく天井を見上げてから口を開いた。
「……なぁ、zm」
「…なんや」
「本気で、utのこと恨んどるんか?」
喉が詰まった。
ちゃんと言葉にしようとすると、 胸がきつく締まる。
しばらく沈黙したあと、 掠れた声が漏れた。
「……わからん」
shoは動じずに聞いてくる。
「わからんてどういうこと?」
「恨んどる。多分。アイツの せいで、knが倒れたって…… 心のどっかで思ってしもてる」
一度言葉を切り、 手で顔を覆いながら続けた。
「でも……knはそんなこと望んでへん」
「せやろな」
「わかっとるのに… 気持ちが追いつかん。 腹立って、苦しくて… どうしてええかわからん」
言い終えたとき、 shoは初めて少し柔らかい表情を見せた。
「…せやなぁ。 そら、その気持ちは消えるもんちゃうわ」
それを言われた瞬間、 なぜか少しだけ呼吸がしやすくなった。
shoは目線を落とし、 静かにknを見つめた。
「でもな、zm。 knは、お前がこんな風になっとるの、絶対望んでないで」
「……わかっとる」
「utのことも…あいつは、責めへんと思う」
「それも…わかっとる」
shoはゆっくりと深呼吸をして、 真剣な目でzmを見た。
「じゃあ、お前がそのまま怒りだけ抱えとったらさ、 knが目ぇ覚ましたとき、どう思う?」
胸に鋭く刺さる。
言い返せない。
shoは、弱った声で笑った。
「……ほんまガキみたいやな、お前」
「うるさいわ」
少しだけ、空気が緩む。
shoはそのまま続けた。
「落ち着くまでここにおれ。 knもお前が離れたら泣くやろしな」
「……泣くか?こいつが?」
「泣くわ。 お前、どんだけknに愛されとる思とんねん」
その言葉に、胸の奥がじん、と熱くなった。
わずかに顔をそむけて、 静かに返した。
「……そんなん、知っとるわ」
けれど
その”知ってる”、を ようやく自分の中に認められた気がした。
✱
静かだった病室のドアが、また少し軋んだ。
「……あ、俺も入ってええか?」
snの声。
普段なら明るく気軽な声なのに、今は落ち着いていて、 その一言だけで空気がほんの少し和らぐ。
「……もちろんや」
zmはそう答え、手を緩めずにknの指に触れたまま、 目だけでsnに合図する。
snもそっとベッドの脇に立つ。
三人が静かに並ぶ。
誰も声を上げず、 ただknの呼吸と指の微かな動きに意識を集中させる。
「……少し動いたな」
shoが小声で呟く。
「…」
手を握る指先に、やっと少し力が入る。
snがそっと近づき、指先に自分の手を添える。
「…zm、大丈夫。 ちゃんと生きとるよ」
zmは息を飲む。
声を出さず、目だけで応えるknの小さな反応を 三人でそっと共有するような時間が続く。
言葉じゃなくても、手の感触で伝わる。
knが生きている、それだけで、何よりも強く感じる。
shoがベッド柵に手を置き、静かに言った。
「お前な、zm。 今は怒りも憎しみも、そのまま抱えとったらええよ 」
snも小さく頷く。
「そやね。誰も、今のzmを責めん。 ただ、knが戻ってくるまで、一緒におるだけや」
zmは視線をknに戻す。
微かに動くまつげ。
それだけで胸がいっぱいになる。
「…あほや。ほんまに」
また小さく呟く。
泣かないけれど、胸が締め付けられる。
shoもsnも黙って見守る。
三人で、knの小さな生の証を感じながら、 静かに時間だけが流れていった。
✱
しばらく静かに過ごす。
knの指はまだ微かに動いているだけで、 まぶたもほとんど動かない。
でも、息づかいを注意深く聞くと、 わずかに呼吸のリズムが変わる瞬間がある。
(…あ、今…
zmの手の指先が、knの指に触れると、 その反応に、さらに小さな動きが混ざった。
まぶたがピクッ、と揺れた。
「……っ……!」
声にならん声が漏れ、zmは思わず前のめりになる。
shoもsnも、息を止めて見守る。
shoが低く囁く。
「……目が……動いた」
「…もうすぐ戻ってくるよ」
zmは指先をそっと強めず握り返す。
ただ、触れているだけで、 knが”ここにいる”ことを、手の感触で確かめる。
次の瞬間、今度は小指が微かに動いた。
わずかすぎて見落としそうな動きだけど、 三人にははっきりわかった。
(……生きとる……ちゃんと……
shoが少し笑う。
「ほんまにコイツ、意地でも戻ってくるな」
zmは小さく息を吐く。
涙は出ないけれど、胸の奥が熱くなる。
knの小さな反応が、希望の光みたいに感じられた。
指を握り返したまま、額を軽く押さえる。
「……よかった……」
まぶたも、指も、呼吸も、 全てが少しずつ戻ってくる。
その微かな動きが、三人に確かな安堵をもたらしていた。
shoもsnも、静かに見守り続ける。
声はなくても、 手の感触と息遣いだけで、 生きている証が確かにここにあった。
✱
knの指先の動きが、さっきよりはっきりしてきた頃。
まぶたが、ゆっくり、ゆっくりと震え始めた。
zmは手を完全に止める。
呼吸すら忘れるほど息を詰めた。
shoもsnも、いつになく真剣な目でその動きを追う。
(……頼む
願うように見守っていたその時。
すっ、とまぶたが開いた。
「っ……!」
zmの胸が一気に熱くなる。
喉が詰まって、声が出ん。
焦点の合わん視線が天井を彷徨い、 それから僅かに動いて、 zmの方を向いた。
「……k、n」
声にならん声が漏れる。
knは喋れない。
息も弱い。
でも
震える視線が、” ここにいる”と訴えていた。
snが目を潤ませながら小さく笑う。
「……よかった……なぁ……」
shoも静かに頷く。
「生きとる…ちゃんと、戻ってきた…」
zmはゆっくり、優しく、 knの手を握りしめた。
「……おかえり」
その言葉に反応するように、
knの指が、弱く、弱く握り返した。
✱
どれくらい時間が経ったかわからない。
自分の部屋の隅で、膝を抱えてうずくまっていた。
涙は止まっているのに、呼吸が浅くて胸が痛い。
(……俺のせい
何度も何度も、その言葉が頭を回る。
脳の奥でずっと鳴り続ける。
ノック音はならない。誰も来ない。
心配なんか、されるはずがない。
(kn……ごめん……
その名前を思い出すだけで、
胸が締めつけられる。
そんな時だった。
コン、コン、コン
ドアが控えめに叩かれる。
心臓が跳ね上がる。
zmやったらどうしよう。
他のやったら……?
怒鳴られるかもしれない。
責められるかもしれない。
そんな不安が押し寄せてきて動けない。
「……ut?」
聞こえたのはshoの声やった。
落ち着いた、怒ってない声。
返事はできんかった。
口が開かん。
shoは無理に入ろうとせず、静かに言った。
「……knが、目覚ました」
呼吸が止まった。
「お前のこと、探してる感じやったで」
胸の奥が鋭く痛む。
(動かな…行かな…
わかってる。
わかっているのに。
でも足が震えて、一歩も動かない。
そんなutに、shoが優しく言った。
「みんな医務室おる。お前が来るの、待っとるで」
待っとる。
その一言で、心の奥の何かが大きく揺れた。
沈んどった身体が、少しずつ動き始める。
ドアに手をかける。
手が震えて、冷たくて、汗ばんでる。
でも、開けた。
廊下を歩くたびに膝が震える。
呼吸も早くなる。
医務室の前まで来た時、
扉の向こうから声が聞こえた。
zmの低い声。
snの冷静な声。
そして
微かに、掠れた 、弱い……でも確かに聞き覚えのある小さな…
knの声。
(……行かな
息を飲み、扉に手を伸ばす。
そして、ゆっくりと開けた。
✱
扉を押し開ける。
医務室の空気が、一瞬で変わった。
そこには
gr、tn、os、ht、sn、ni、sho、zm、syp、ci、rp、em、rb…
総統含めた幹部全員が揃っていた。
誰一人として口を開かず、ただknの回復を見守っている。
でもその視線は鋭く、あたたかく、緊張と安堵が入り混じっていた。
胸がギュッと締め付けられる。
責められるんじゃない。
ただ、”自分が今ここにいていいのか”と震える。
視線を巡らせると、zmがknの手を握り、shoとsnが静かに隣に立っている。
emやciは少し距離を置き、緊張した面持ちで見守る。
grやtn、osやhtも、手を組んでじっと呼吸を整えている。
その空間に、knの微かな呼吸と、指の震えが響く。
息を飲んで前に進むと、knのまぶたがゆっくりと揺れ、 小さな動きが指先から腕へ、そして肩まで伝わる。
そしてついに、knの視線が、俺…utに向いた。
目が合った瞬間、胸の奥がズン、と締め付けられた。
焦点は完全じゃないけれど、確かにutを認識している。
部屋にいる全員の視線が、俺たち二人に集まる。
沈黙の中で、knの弱々しい目が訴える。
生きてる
言葉にはならないけど、その目が全てを語っていた。
shoが小さく肩を落とす。
snも軽く微笑む。
zmはknの手を握り返したまま静かに頷く。
utは思わず前に一歩出る。
息を整えながら、knの視線を逃がさずに立つ。
部屋全体が、静かに呼吸を合わせた。
knの目と自分の目だけが、確かに繋がっている。
そして、重苦しい空気の中に、ほんの少しだけあたたかさが差し込む瞬間だった。
✱
knの目が、utに向いたまま揺れている。
その視線は、まだ力強くはないけど、確かにutを探していた。
手を握ると、knの指がほんの少し力を入れた。
その瞬間、胸の奥がぎゅっとなる。
そして
「…u、t…?」
弱々しい、かすれた声。
でも、間違いなくutに向けられた声だった。
部屋中が一瞬、静まり返る。
shoもsnもzmも、誰も言葉を発せず、knの声に耳を集中させている。
他の全員も、呼吸を止めるように見守っていた。
(…生きてる…俺の名前を、呼んでくれた……
胸が熱くなり、涙がこぼれそうになるのを必死でこらえる。
声を出さず、ただknの目を見返す。
「…、kn…」
声にならない返事を、目で返す。
knは微かに瞼を瞬かせ、さらに微かに手を動かす。
shoがそっと息をつき、snが目を細める。
zmも、knの手を握り返したまま、少し笑ったように見えた。
医務室の重い空気は、少しだけ軽くなった。
knが、声を出してutに話しかける。
それだけで、希望の光が差し込んだ気がした。
utはゆっくり膝をつき、knの目線に合わせる。
全員の視線が、二人に集まる中で
「…ずっと、待っとった。」
心の中で、knの声が届く。
この瞬間、全ての罪悪感や不安が少しだけ溶けた気がした。
✱
目を開けたまま、knは医務室を見渡す。
gr、tn、os、ht、sn、ni、sho、zm、syp、ci、rp、em、rb。
そしてut。
全員が揃い、knを見つめていた。
表情はそれぞれ違うけど、共通しているのは真剣な謝罪の気持ちだった。
「kn…すまない…」
grが頭を下げる。
「すまんッ…」
tnも俯きながら、誠意を込めて言う。
「俺も…力になれんかった…申し訳ない」
os、ht、ni、syp、ci、rp、em、rbも順々に、静かに頭を下げながらknに謝る。
shoとsnは少し微笑むようにして、zmはknの手をそっと握ったまま、短く”ごめんな”とだけ言った。
knは瞼を少し閉じ、息を整えながら一人一人の言葉を受け止める。
声は出していないけれど、耳で全員の謝意を感じ取れる。
その重みが胸に染みてくる。
そして、knの視線はutに向く。
utはまだ膝を震わせ、涙を堪えきれずにこぼしている。
「ごめんっ…knっ、ごめ、ごめんなぁッ…」
次に、医務室の空気はさらに張り詰める。
一人ずつ、utの方に視線を移す。
「utも…すまなかった…」
grが再び頭を下げる。
「お前が苦しむ姿、助けられんくて……本当にごめん」
tn達も順に頭を下げ、utに謝罪する。
shoは謝った後、静かに、でも強い声で
“全部、お前が背負わんくてもええんやで”と言った。
snも “我慢させてごめん”と言葉を添える。
zmは手を握ったまま、目だけでutに伝える。
knはその全てを目で追い、手を微かに動かす。
声は出せないけど、心で感じる。
utの肩の力は少しずつほぐれ、胸の奥の緊張が薄れるのがわかる。
全員の誠心誠意の謝罪が、医務室を包み込み、
重く張り詰めた空気は、少しずつ、温かさと安心に変わっていった。
knは小さく指を動かし、utの手に触れる。
微かな力でも、utはそれを感じ取り、涙をぬぐう。
(……生きとる……みんな、ここにおる……それだけでええ……
✱
手を握られた感触が、knの意識の奥にしっかり届く。
指先の温かさ。微かな圧。
そして、utの目の奥にある涙と必死の気持ち。
心の奥が、ぎゅっと熱くなる。
小さく、でも確かに――
「……ut……」
声が出た。
かすれた、弱々しい声だけど、医務室に響き渡る。
聞こえた全員の呼吸が、一瞬止まったように感じた。
utの目が一気に潤む。
「kn…、!」
涙をこぼしながら、手をさらに強く握り返す。
shoは小さく肩を揺らして微笑む。
snも、目を細めて頷く。
zmはknの手を握ったまま、少し笑った。
rbやsyp、rp達も自然と口元が緩む。
医務室全体の重く張り詰めていた空気が、ふっと軽くなる。
誰も声を上げなくても、皆の心が一斉に和らいだのを感じる。
knはさらに小さく、しかしはっきりと声を続ける。
「…みんな…生きててくれたんやな、!」
その声を聞いて、utは笑いながら涙を拭く。
「そうや、みんな揃っとる。お前も生きとる!」
shoとsnはそっと肩を寄せ、zmはknの手を軽く握り返す。
他の仲間たちも、緊張した面持ちから少し笑顔を見せる。
医務室の隅々まで、今までの痛みや後悔の空気が少しずつ解けて、 代わりに、温かくて穏やかな空気が満ちていった。
knは目を閉じて深呼吸する。
声はまだ弱々しいけれど、もう恐怖や痛みだけで震えてはいない。
周りの誰もが、自分を大事に思ってくれていることを感じながら、初 めて、自分の意思で笑おうとする気持ちが湧き上がる。
そして、医務室の全員が小さく、でも自然に微笑み合った。
それは、言葉を交わさずとも、互いの安堵と信頼を確かめ合う瞬間だった。
重く張り詰めていた時間は終わり、ここにいる全員が、安心と信頼で結ばれていた。
医務室の窓から差し込む光が、15人を温かく包み込み、 緊張と恐怖を乗り越えた、静かで確かな再生の時間が流れた。
______________
えーーー、 リクくれた人ごめんなさい
嫌われから愛されの予定が全然違う話しになってしまいました。
早い内に書き直します。
コメント
6件
え大好きなんだけど!!!!!!! ut先の嫌われ大好き😘😘 設定とか諸々込めて好きすぎるほんとに!!!!!!! しんまは良心でやったんだからどっちも悪くないよなうんうん メンバーサンは若干悪い気もするけど私がその立場だったらするかもしれん()