夜、兄さんの骨壷をひっそりと開けた。もう殆ど墓に入ってしまった兄さんの骨の粉を舐めた。少しザラリとしていて、僕の指の味でだろう。少ししょっぱかった。日本には骨食みというものがあるらしいと知っていたし、僕が異食症であったからこそ出来たことだろう。これで兄さんは長くて3年程僕の中で生きれるかもしれないらしい。場合によっては数日しか保たないらしいが。まぁ死んだ兄さんも僕の血肉になって生きれるのなら本望だろう。
僕の血肉になるのならば兄さんが言っていた『ずっと一緒に居たい』って願いもも叶えられる。僕はまだ兄さんと一緒に居たかったから一石二鳥だ。
僕の中で生きているんだからこれからは怪我をするわけにはいかない。血は一滴たりとも出してはいけない。癖になってる頬を噛むのも出来るだけ我慢しよう。僕が立ち直れるまではこの世に居てくれますように。