テラーノベル
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『10周年おめでと〜!!』
そう言いながらクラッカーを鳴らす
まさか10周年をお祝いするなんて…
思いもしなかった。
気分転換にライブハウスに行った。
よく知らないグループの知らない曲を、客観的に聞いて楽しむのがすごく楽しい。
それくらいの気持ちで、ライブを見ていた。
『よろしくお願いしまーす!』
〈高校生バンドか??
〈大丈夫かなぁ…
高校生バンド。
そういう言葉で才能がないと決めつけるのは違う。まぁ、そこまで自分が音楽に興味があるわけでもないけど。
〜〜〜〜〜〜〜〜♫
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪♪
始まった。
周りは静かに聴いている。
バンドなのにね笑
まぁ、まだよく知られてない人は最初はこれくらいだ。
??side
あぁ、初めてのライブハウス。
怖い。
大丈夫かな。
恐怖と不安に襲われる。
まったく手が上がらない。怖いくらいに。曲を演奏していて涙が出そうになった。それでも時間は止まってくれないし、ライブハウスに行こうって決めたのも自分たちだし。
yourside
何事もなく、みんなちょっと体を左右に揺らしたり、クラップをしたり…くらいで1サビがおわった。
Bメロにはいった瞬間、自分の心を強く打たれた気がした。
1番前の列で聴いていたからか、ボーカルの人の表情と、歌詞が一致して、信じられないくらいに、
輝いて見える。
なんでだろう。
気づいたら手が上がっていた。
気がついたらリズムに乗っていた。
きっとすごく楽しそうな顔をしているだろう。1番前の列のせいでもあって、バンドの人たちからとっても見られてる。
ライブが終わっても、その衝撃が治らなかった。
ぼーっとしながらライブハウスを出たら、さっきのグループの人たちがいる。
こちらを見るなり、そのうちの1人、女の子が走ってきた。
「あの!最前列で見てた方ですよね!」
『は、はい…』
とっさに返事をしてしまったけど、すごく緊張している。
「ありがとうございました!」
『え?』
「初めてのライブハウスで、緊張してたんですけど、楽しそうにこっちを見てたので、自信がついたんです!」
楽しそうにしているっていうことがバレバレだったのは恥ずかしいけど、自分に誰かが感謝してくれてる。
『いえいえ、とっても楽しいライブでした』
「ありがとうございます!ほら、元貴たちも感謝しなきゃ!」
見ると男の子があと4人いる
「ありがとうございました〜!」
「どうも…」
「ありがとう!ございました!」
「…ありがとぉございました…」
『んふふっ』
なんだか、個性のあるグループだと思った。
感謝の仕方がとっても面白かった。
元貴?という人はなんだか目を合わせてくれないし、リーダーっぽい人はどうもって言うだけだし…でも、面白くてつい聞いてしまった。
『次、いつライブしますか?』
「んーっと、2週間後…くらいですかね?」
そういいながら女の子はみんなのことを見た
『きっといつでもいるので、また曲聴かせてくださいね』にこ
「はい!」
手を振ってみると、女の子が手を振り返してくれた。
帰ってからもその感動というか、衝撃が離れなかった。
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