テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
始発から三本目の電車。彼はいつも、俺より一駅前から乗っている。 スーツの袖先が少しだけ擦れてて、ネクタイは毎日違うけど、靴の艶はいつも同じ。几帳面で俺よりずっとまっとうな人。いつから彼に惹かれ始めたんだろう。彼の胸元の名札に印刷されている「鬱島 大」という文字が、いつもよりきらりと輝いているように見える。
「今日も早いな。」
「お前が遅いだけちゃうか?」
言葉は優しく、柔らかいのに、目の奥が笑っていない。
電車に乗ってから改札を抜けるまでの十五分間、俺らは並んで歩く。手は繋がない。いや、繋げない。少しでも触れるとすぐに壊れそうなくらい儚い存在だから。
会社のビルに入る前、鬱は俺のネクタイを直してくれた。
くいっ……
少し強く引かれ、息が詰まる。
「ちゃんと締めろよ。変なのに目を付けられちゃあこっちが困る。見られてんだから。」
そう言って整えてくれる。
誰に見られているのか、俺は聞けないまま。鬱は俺の為にしてくれている。鬱の言うことを聞いていれば僕はきっと幸せに生きることができる。
「愛してる」も「好き」もまだ言わない。言えない。言いたくない。その言葉が出た瞬間、気持ちが溢れて、抑えられなくなるから―
.*・゚ .゚・*.初投稿.*・゚ .゚・*.
いかがでしょうか…?
僕なりには結構満足です…、
「どこで区切ろうかな、」
って悩んでたらここが1番キリが良かったんです…っ、
二話、早めに出します〜
⋆☾·̩͙꙳𝐜𝐨𝐦𝐢𝐧𝐠 𝐬𝐨𝐨𝐧…