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早速外を出た。それにしては海月のハーフアップは可愛い。髪がふわっと内巻きスタイル。
「んー?僕の顔に何かついてるぅ?」
そんなあざとい仕草で私の方を見て…もう、可愛いんだから。
「何も付いてないから安心して」
「うん!わかったぁー!」
明るい笑顔は辺りを眩い光で照らす太陽のようだ。本当に中身はオスなのか?!そう疑ってしまうほどだ。
今日は予定があった。それは…
「あ、星螺!!お久しぶり!」
「あ、慧!覚えてたんだね。」
慧、とある小説の中に出てきた子だ。現実には慧しか居ない。
「そりゃあ、そうよ!星螺と会える機会なんて早々、無いしね!」
私は慧の頭を撫でた。慧は小っ恥ずかしそうにしつつ隣にいる美少女に驚き、目を丸くした。
「…えっと?初め…まして、なのかな?」
すると、海月は急にピタッと静止した。
「あぁ…僕だけど?……慧」
そう言っても気づかない慧を見てイライラしてきた海月は
「はぁ…僕はマシェリ!よろしくね怒」
あ、気づいた。その驚いた顔で私が驚いた。
「…ましゅろん!?あ…ごめん。」
「いいけどさ?僕だってなんでこんな見た目になったのか分からないんだよね……」
慧は困った表情で海月のことを撫で始めた。私は必死に海月から慧を離そうと考え動いたがビクともしないことに気づいた。可愛い海月は一瞬にして慧を虜にした。
「星螺が言ってたことはやっぱり本当なんだなぁ♪夏祭り、良かったら一緒に行こ?」
私はもちろんと言いそうになった。その瞬間に海月の雰囲気が変わった。
「は?俺と行くんだよ星螺は」
そう言いつつ、今まで体の部位を上手く使えなかった海月が私の腕を引っ張った。怒ってる?そんなことを考えてしまった。だが、私は知っている。彼が嫉妬深くてヤンデレ気質な部分があることを。
どうしたのかを慎重に聞いてみた。すると、海月は海月じゃない言い方をした。
「僕の星螺が取られるんじゃないかって、怖くなった…!星螺は僕のものだから、慧には関係無いし…!数年ぶりに会って、せっかくのチャンスがさ?」
そう言ってくる可愛い海月がやっぱり好きだ。
「…好き。好きだよぉ!ましゅろん!!」
早まって告白してしまった。やっぱり好きで仕方がないんだ。それでも、まだ意地悪したい私は少しだけ離れたところで
「まぁ、冗談だけどね笑」
と、言ってみせた。海月は静かに頭に血を上らせていた。
「僕は、本当に好きだけどね?」
きゅっっ、と小さな痛みが身体中に走った。
「…うん。家帰ろっか」
また、私の心臓に衝撃が走った。
本当は知ってるんだ。二人は両思いで溺愛し合ってる関係だと。だが、恋人未満友達以上の関係値だ。マシェリと星螺が分かり合えることは無いが強いて言うのなら、永久を誓う友と言えるのでは無いのだろうか。